ケータイ用語の基礎知識

第673回:Feel UXとは

 Feel UXは、日本の家電メーカーであるシャープが、米国のデザイン会社frogと共同で開発したスマートフォン向けユーザインターフェイスです。シャープ製のスマートフォンの2012年夏モデルから、このFeel UXが採用されており、最近発表されたソフトバンクの「AQUOS CRYSTAL」「AQUOS CRYSTAL X」でもこのFeel UXの最新版が使用可能です。

 スマートフォン初心者、使い慣れた上級者どちらでも直観的に操作できることを目標として作られたUIです。

特徴は「ウェルカムシート」とカスタマイズ可能な「ホーム」

AQUOS Xx 304SHのアプリシート

 Feel UXの特徴は、従来のAndroidスマートフォンのロック画面に変えて、すぐに使いたい機能を直接起動できる「ウェルカムシート」の存在、そして、複数のシートで構成され、アプリケーションアイコンを効率良くレイアウトできるという特徴を持った「ホーム」でしょう。

 ロック画面に代わる「ウェルカムシート」は、スマートフォンの電源投入時や、画面消灯時に電源ボタンを押したときに表示される画面なのですが、画面上部の壁紙エリアの他に、下部には「インフォエリア」と呼ばれる様々な情報を表示できる部分があります。誤動作防止だけでなく、さまざまな情報提供などもできるようになったことが「ロック画面」と、このFeel UXの「ウェルカムシート」の違いです。

 ウェルカムシートでは、ユーザーが壁紙エリアを左右にフリック動作を行うことで、あらかじめ設定しておいた5枚以内の静止画像から壁紙写真を変えることができるほか、インフォエリアでは、やはり左右にフリックを行うことで表示する情報を「天気」「日時」などに切り替えることが可能です。

 また、インフォエリアにはアプリケーションのショートカットを設定することも可能で、これによってさまざまな機能をウェルカムシートに装備させることが可能です。たとえば、アプリや連絡先のショートカット、経路を探索、直接メッセージを送るなどを選んで貼り付けることができ、これらを使えば、普通のAndroidスマートフォンのようにロック解除してアプリを起動するというような手順をふまなくとも、機能を使うことができるのです。

 また、「ホーム」画面は、最新版のFeel UXでは「デスクトップシート」「アプリシート」の2つのライン、以前のバージョンでは「アプリ」「ウィジェット」「ショートカット」の3つのラインから構成されていて、アプリケーションを効率よく使えるように配置することができます。それぞれのシートを表示するには、画面上での左右フリックで切り替えられます。

 2014年8月現在の最新版で説明すると、アプリのアイコンは、アプリシートの方に全部整然と並べられています。デスクトップシートの方に、このアプリのショートカットやウィジェットを貼り付けることで、お気に入りのアプリを使いやすい位置に配置して、すぐに使えるようにすることができます。もちろん、アプリシートのアイコン配置でも並び替えを行い、好きな位置にアイコンを配置しておくことも可能です。

 アプリ、デスクトップともシートを表示した状態で、メニューキーをタップし、表示されたメニューで[ホーム設定]を選ぶと、Feel UXの設定をカスタマイズすることも可能で、たとえば、レイアウト設定では各シートに並べられるアイコンを「3×4」「4×5」「5×6」などと選ぶこともできます。

 ちなみに、デスクトップシート上にアプリケーションのショートカットやウィジェットを貼り付ける方法ですが、デスクトップシートの空きスペースを長押しするとメニューが表示されますので、[ショートカットを貼付け]または[ウィジェットを貼付け]を選び、貼り付けたいアプリやウィジェットを選ぶことで設定できます。

 また、逆にアプリシート内での操作でショートカットを作成したい場合も、使いたいアプリのアイコンを長押しし、画面左側の[<]までドラッグすることで作成できます。このようにどちらのシートからでも操作で同じことを設定できるように考えられているところもFeel UXの良いところかもしれません。

 ちなみに、現在ではAndroid OS標準でもできますが、Feel UXでは、以前からアイコンをフォルダ化することができました。フォルダを作ってその中に複数のアイコンを登録して置くことが可能です。具体的には、デスクトップシートでアプリアイコンやショートカットをロングタッチし、他のアプリやショートカットにドラッグして、指を離すという操作でフォルダアイコンを作ることができます。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)