ケータイ用語の基礎知識

第727回:レーザーオートフォーカス とは

「アクティブAF方式」のひとつ

 レーザーオートフォーカス(レーザーAF)とは、デジタルカメラのピント合わせの方式の1つです。撮影したい物体に、レーザー光線を当てて、その反射の状況を検知して対象までの距離を測り、写真のピントを合わせます。

 距離測定には、主に微弱な赤外線レーザーが使われ、この方式を採用するカメラではカメラのレンズ近くにレーザー光線の発信孔が設置されていることが多くあります。中には、カメラモジュール内にレーザー発信器があり、ハーフミラーなどの聞きを使って撮像とピント合わせ用の光線を分離させる機構になっている場合もあります。

 以前紹介した位相差AFやコントラストAFは、撮影する画像の情報からピントが合わせる方式ですが、レーザーAFは、また別の仕組みです。たとえばコントラストAFの補助としてレーザーAFを使う、といったこともできます。

 ちなみに、レーザー光線とは、180nm~1mmまでという波長で、同じ周波数、同じ方向に進む光のことです。長い距離でも拡散してしまわずに届いたりする特徴があります。レーザー光線は、オートフォーカス装置のほかにも、たとえばCDやDVDといった光ディスクの記録内容の読み書きや光ファイバーを使った通信などにも使われています。

 レーザーAFや、ピント合わせのための超音波を出して測定する超音波フォーカスのことを、カメラ自身から発信し距離を測定する方式であることからこれらをまとめて「アクティブ式オートフォーカス」と言うこともあります。先に挙げた位相差AFやコントラストAFは、逆に「パッシブ方式オートフォーカス」とすることもあります。

 最近、一部のスマートフォンでは、レーザーAFが使われるようになってきました。ASUS製のSIMロックフリースマートフォン「ZenFone2 Laser」、LG製の「G3 Beat」、グーグルから発表された「Nexus 5X」「Nexus 6P」といった機種で採用されています。

薄暗い場所でも高速で精度の高いオートフォーカスが可能に

 レーザーAFというピント合わせの仕組みでは、撮影物にレーザー光を当て、その反射光をピント調整用の受光素子で受け取ることで、カメラレンズがピントを合わせるための情報とします。

 その方式はいくつかあるのですが、たとえば、レーザーから放出した光を撮影用レンズで受け、さらにピンホール越しに受光素子で受け取るというような機構を持つものがあります。この方式では、撮影用レンズのピントが合っていないとピンホールの位置で光が集まりません。レンズをサーボモーターで前後に動かし、もっとも光を多く受けられるところが、ピントの合う位置であるとするわけです。

 このレーザーAFのメリットとしては、ピント合わせの高速化、特に周りの明かりが暗いときでもピント合わせの精度が落ちず、素早く焦点を合わられます。

 位相差AFやコントラストAFの場合、イメージセンサーが捕らえている画像を基にピントを合わせることから、暗い場所では効果が薄れます。

 しかし、レーザーAFの場合、カメラ自身が測定用の光を出すことから、周りの明るさに影響されずにピントを合わせることが可能なのです。

 一方、デメリットとしては、カメラのイメージセンサーなどの撮影用の機構とはほかに、レーザー光線源などの専用の部品が必要となることから部品点数が増えたり、あるいはコストが増えてしまったりといったことも挙げられます。ただし、2015年現在、レーザー光源などの価格は非常に安くなり、製造コストがシビアなデバイスでも、それほど負担にならなくなっています。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)