DATAで見るケータイ業界

音声通話定額プランが携帯会社の売上に与える影響を読む

 KDDIが8月13日より「カケホとデジラ」の受付を開始し、携帯各社の音声通話定額サービスが出揃ったが、新料金プランは携帯会社の売上にどのような影響を与えているのだろうか。今回は、契約者1人あたりの売上をあらわす「ARPU」の動きから、先行して開始したNTTドコモの状況を中心にとりまとめてみたい。

 グラフはNTTドコモの2012年4〜6月期以降の四半期ベースのARPU推移をあらわしたものである。音声通話定額サービスを最初に開始したNTTドコモのARPUは4300円で、前四半期から20円の減少となった。このうち、基本使用料と通話料から構成される音声ARPUは1210円で、前四半期比10円減だった。

 今回の数値を見る限り、音声ARPUには下げ止まりの傾向が見られる。というのも、2012年4〜6月期の音声ARPUは1900円で、そこから四半期ごとに40円〜190円の幅で毎期減少していたが、今期は減少幅が10円にとどまったからだ。さらに、9月以降、月額743円で提供されていた「タイプXi にねん」などの従来プランの新規受付が停止され、Xiの場合はカケホーダイプランへの加入が必須となる予定で、長らく減少が続いていた音声ARPUが反転する可能性も出てきた。

 他社の状況はどうだろうか。ソフトバンクモバイルは、従来月額934円で提供されていた「ホワイトプラン」の新規受付を11月30日に終了することを発表している。NTTドコモと同様の構図で、音声ARPUにとって追い風になるとみられる。特に同社は、前四半期比で増加傾向が続いていたデータARPUが減少(2014年1〜3月期が2970円、4〜6月期は2960円)しており、音声ARPUの動きがARPU全体にとって鍵になってくるだろう。

 2社と異なる動きをみせるのがKDDI(au)で、現時点では従来プランの取り扱いを明確にはしていない。月額1000円以下のプランが残ることは音声ARPUの観点だけでみれば足を引っ張る存在ともいえるが、競争施策としては他社との差別化要因にもなり得る。実際、7月末に行われた決算説明会の質疑応答の中で、新旧プランが併存することについて、実際のところは分からないと前置きしつつ「店頭や営業の現場からは、他社に比べ優位だと聞いている」との回答が述べられている。料金プランを巡る今後の動きにも注目していきたい。

MCA

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」などクオリティの高いサービス提供を行う。