2台持ちユーザーにとっての今冬モデルは?

2008年11月12日 11:00
(白根雅彦)
 気がつくとiPhone 3Gを手放せなくなっていた。必須ツールとしてわたしの生活と仕事にガッチリ入り込んでしまっている。しかし一方で、iPhoneを補完するための普通のケータイも手放せてはない。2GHz帯の3Gだけではエリア・接続性に不安が残るし、おサイフケータイなど普通のケータイのサービスも使いたい。そんなわけで、わたしのジーンズの左前ポケットにはiPhone、右前ポケットにはau W62CAが入っている。

 そして「左前ポケット」は、今後もiPhoneの定位置になりそうだ。Macユーザーのわたしにとって、iPhoneほど相性の良い端末はほかにない。iPhoneはソフトウェアアップデートで機能強化されるし、今後はワンセグすらオプション追加できるようになるので、半年やそこらで買い換える必要も感じない。そうなると、わたしの今の問題は、iPhoneを補完する「右前ポケット」がどうなるか、ということになる。

 iPhoneなどスマートフォンを補完する端末、という視点で見ると、今冬のラインナップには少々物足りない。主要3キャリアで40機種もの発表がありながら、ほとんどが折りたたみかスライドで、3インチ級の大画面ディスプレイを搭載し、バランス良く機能を網羅した「主役級」の端末がほとんどだ。わたしのニッチな「右前ポケット」のニーズでいうと、小画面で良いからドコモのSO902iやauのSportioのような「コンパクト路線で一点突破」という端末も欲しかったところだ。

 ではこの今冬ラインナップで、わたしの「右前ポケット」端末は変わるのだろうか。

 発表会順でいうと、まず1番目のauは、冬モデルでの買い換えは正直厳しいと感じた。iPhoneの貧弱なカメラを補うEXILIMケータイ W63CAなどは魅力的だが、目立った新機能・新サービスもないので、いま使っている夏モデル、W62CAのままで良さそうだ。今冬のauのラインナップは、種類・新機能ともにちょっとパワーに欠けている印象も否めない。これならば、今夏の端末も含めて検討するべきだと思うし、そうなってもわたしはW62CAを選ぶだろう。「G'zOne」ことW62CAの防水機能とタフネスさは、2台持ちの1台目であったとしても、魅力的な要素である。

 続いてソフトバンクだが、こちらはハナから除外せざるを得ない。非常に偏った視点だが、iPhoneの電波の弱さを補うのに、同じソフトバンクでは効果が薄いと考えるからだ。それに、今冬のソフトバンクはスマートフォンなど「2台持ちの2台目」に向いた端末が豊富で、「931SH」のように豪華な端末もあるが、わたしの「右前ポケット」のニーズを満たす端末はない。

 ドコモはというと、選択肢が多く、わたしの「右前ポケット」のニーズに近い端末もある。まず気になったのが、重さ106gの「N-02A」だ。3.2インチ画面は少々オーバースペックだが、軽量でありながら機能面で「足りない」と感じさせるものがない。あとは防水でありながら機能豊富な「F-01A」も気になるところだ。ちょっと大きいが、利用シーンを選ばない防水は、コンパクトさ同様に魅力的な要素である。

 ただ、こうやってみてみても、けっきょくのところ冬以降も「右前ポケット」にはW62CAが入る可能性が高そうだ。ドコモの新モデル・新サービスには興味があるが、率直な印象として、わざわざ買い換えるほどではない印象が強い。なんというか「買い換えれば格段に良くなる」というイメージが湧かないのだ。iPhoneとの併用となると、今冬モデルの特徴の一つである「タッチパネル」にも魅力を感じない。

 今後、WiMAXなどが登場すれば、わたしのように「スマートフォン+普通のケータイ」の組み合わせをする人が増える可能性は十分に考えられる。そういったニーズに適した端末が、来年以降に登場してくれると良いのだが......。