新ファームで使いやすくなったN97

2009年11月5日 11:00
(山根康宏)

 Nokiaのスマートフォンも定期的にファームウェアがアップデートされており、PCと端末を接続した際、新しいファームウェアが存在するとアップグレードをお知らせしてくれるようになっている。N97も10月末にメジャーアップデート(V10.xx→V20.xx)が行われ使い勝手が大きく向上した。

 最大の変更点はこれまでは一部アプリの画面のみ対応していたキネティックスクロールがほぼ全画面に対応したこと。iPhoneのように画面上で指先を上下方向に滑らすと流れるようにスクロールする動きは指先だけで操作するフルタッチUIには今や必須のもの。N97もようやくフル対応したことは評価に値するアップデートといえるだろう。

 この他にもスピーカー音質の改善など細かいバグフィックスが行われており、購入時に比べて別物までとはいわないが全体的により使いやすいように改善されていると感じる。N97はNokiaの現時点での最上位端末だけに、かなり気合を入れて改善に取り組んだようだ。

 さてQWERTYキーボードも備え、タッチUIの完成度も高まったことで筆者にとってN97はますます使いやすい端末になったのだが、日常的に利用していて残念なのはWebサービスの対応が弱いことだ。FacebookやTwitterなどは各種クライアントアプリが提供されているが、DropboxやEvernoteなどビジネスで必須のサービスはいまだにWebブラウザでしか利用できない。アメリカ発のサービスはどうしてもアメリカ発のスマートフォンの対応が最優先となってしまうのだろうか。

 スマートフォンのメリットは豊富なアプリを利用できることだけではなく、Webサービスを最適化された画面で利用できること。現時点での不満点は唯一これだけなので、早く対応してもらいたいものだ。