L-06Aを閉じたままで使ってみる

2009年12月11日 11:00
(村元正剛)

 「いずれ世界中のケータイはiPhoneのような端末になっていく」と予見する声を耳にすることが多い。ボクもそのように感じることがある。iPhoneを使い始めて1年数カ月、そしてHT-03Aを使い始めて約5カ月。今では、従来型のケータイを手にしたときに、ついつい画面をタッチしたい衝動に駆られてしまう。

 タッチパネルは、レスポンスにもよるが、ボタンを押すよりもなめらかに操作ができる。慣れれば素早く操作できるようになるし、ソフトによって操作パネルはいかようにも表示できるので、先々は画面に表示するダイヤルキーなどの大きさもユーザー自身が選べるのが当たり前になるのではないかと予測している。

 スマートフォンではない従来型のケータイにもタッチパネルを採用するものが増えている。十字キーとダイヤルキーによる従前の操作性を継承しつつ、さらにタッチ操作も可能という、いわば“ハイブリッド”なユーザーインターフェイスを搭載した機種が多い。実は個人的には、そうした機種はあまり好きではない。「使いやすいほう、どちらかひとつにしてくれ!」というのが本音だ。結果的には、タッチインターフェイスをフルに使いこなせずに、従前の操作法を主体に用いることが多かった。

 しかし、現在使っているL-06Aは、ディスプレイを外向きにしたビューアースタイルで、タッチ操作を主に使っている。使い始めた当初は、通話時についつい開きたくなったのだが、今ではむしろ、いちいち開くのが面倒になり、メールもタッチ操作で文字を入力している。欲を言えば、もう少しタッチのレスポンスが速いとうれしいなぁ、と思ったり……。

 L-06Aには、ダイヤルキーを搭載しないPRADA Phoneと同等のタッチインターフェイスが搭載されている。つまり、ダイヤルキーを使わなくても、ほとんどの操作はタッチで事足りるのだ。カメラやワンセグも側面ボタンを押すだけで起動でき、ビューアースタイルで使いやすい横向きで表示されるので、設定などのために端末を開くことは皆無に等しい。国内メーカー製の“ハイブリッドUI”が「ボタン操作がメインでタッチパネルが補助的」という印象を受けるのに対して、L-06Aは「タッチ操作がメインでダイヤルキーはオマケ」という印象を受けるのだ。

 L-06Aに搭載された機能でタッチ操作に完全に対応していないのはiアプリ。Googleメニューから呼び出す「地図」は、「モバイルGoogleマップ」というiアプリが起動する仕組みになっているが、これはタッチ操作には対応していない。また、内蔵されているゲームも残念ながらタッチ非対応。それらを使いたいときには端末を開けばいいわけだが、iPhoneなどに使い慣れてしまったボクには、それすらが面倒に感じたりもする。

 今冬発表されたLGの新モデルを見ると、タッチインターフェイスが取り入れた機種はあるものの、全体としては、より日本の一般的なケータイの操作性に近づけきた印象を受ける。

 しかし、ボクのようにタッチインターフェイスのスマートフォンと併用する者の中には「もはやタッチのほうが操作しやすい」と感じている人がいるだろうし、今後そういう人が増えてくるように思う。

 iPhoneよりもひと足早く、ほぼフルタッチ操作のPRADA Phoneを発表し、その後も海外市場では、さまざまなタッチ端末を発売しているLG。ぜひ、海外で人気のカッコいいデザインのタッチ端末の日本版を発売してほしい、と期待するのはボクだけであろうか? もちろん、LGを取材するたびに、その要望は伝えていますよ(笑)。