慎重に使えば、便利な世界対応ケータイ

2009年12月25日 11:00
(法林岳之)

 年末年始は故郷に帰省する人もいる一方、海外で過ごす人も多い。今年は景気悪化の影響もあり、年末年始の旅行は低調という報道もあるけど、「円高だから、ショッピングは今がチャンス」なんていう声も耳にする。かく言うボクも年末のどさくさに紛れ、ひと足お先に海外に数日間、お出かけしてきた。もちろん、940SHをはじめ、主要3キャリアのケータイを持って……。

 国内のケータイを海外で使うなんて、ほんの4~5年前まで、対応機種が限られていて、今ひとつ現実感がなかったけど、今や各社のラインアップもミッドレンジ以上は大半が国際ローミング対応。なかでもソフトバンクは旧ボーダフォンが国際ローミングに力を入れていたこともあり、現在のラインアップでもほとんどの機種が「世界対応ケータイ」となっており、基本的には海外の利用可能地域でそのまま、使うことができる。

 今回、ボクが出かけたのはグアム。グアムの携帯電話サービスは元々、GSMとCDMAが提供されていて、2006年にはNTTドコモが現地携帯電話事業者の「グアムセルラー」を買収し、2008年には社名を「DOCOMO PACIFIC」に変更するとともに、3Gサービスの提供も開始。ソフトバンクの世界対応ケータイを利用するときは、この「DOCOMO PACIFIC」の3G/GSMネットワーク、現地携帯電話事業者の「IT&E」や「Pulse Mobile」のGSMネットワークにローミングすることになる。940SHは3GとGSMの両対応のため、電波状況に応じて、いずれかのネットワークが自動的に選択されるしくみだ。

 手軽に利用できる環境が整ったとは言うものの、実際に使う側としては心配なのが利用料金。海外では日本からの着信に着信料が掛かるし、Webブラウジングやメールなどもパケット通信料定額制プランの適用外。たとえば、グアムなら、日本への発信が1分180円、着信も1分130円が課金される。メールはSMSが1通100円で、S!メールだと、ミニマムチャージの100円に、10KBあたり50円が加算される。とてもじゃないけど、日本と同じ感覚では使えないわけ。

 そこで、料金節約のために、必ず設定しておきたいのがメール自動受信の解除。[メール]メニューから[メール/PCメール設定]-[S!メール設定]-[メール受信設定]を選び、「自動受信設定」などの各項目で、メールを自動的に受信しないようにしておく。ちなみに、SMSの受信は海外でも無料なので、日本からの連絡はこれを上手に使ってもらうのがポイント。

 一方、ウェブもメールと同じ程度のコストが掛かるので、とにかく使わないようにするしかないんだけど、海外旅行中って、意外に日本のニュースが気になるでしょ。そんなとき便利なのが940SHに搭載されている「ダイレクトブラウザ」。

 通常のYahoo!ケータイ用ブラウザやPCサイトブラウザと違い、Wi-Fi経由のみで直接、インターネットにアクセスしたいときに使うフルブラウザだ。グアムに限らず、海外のホテルやショッピングモールなどでは、Wi-Fiサービスを無料、もしくは低料金で提供していることがあるけど、940SHをそこに接続すれば、ダイレクトブラウザでWebページを閲覧できるわけだ。ボクも空き時間にホテルのロビーで試したけど、結構、快適に使うことができた。ただ、海外のWi-FiサービスにはWPAやWEPなどのセキュリティが設定されていないものも多いので、個人情報やユーザーIDなどをやり取りする用途にはあまりおすすめできない。

 最初は何かと不安の多いケータイの海外利用だけど、各社の海外利用向けパンフレットなどで正しい情報を集め、使い方を制限すれば、安心して使うことができるはず。ぜひ、年末年始にお出かけする人はお試しを。