悩ましいBluetoothヘッドセットの選択

2010年6月15日 06:00
(太田亮三)

 Xperiaをメイン端末にしたことで、通信方式的にCDMA 1X WINからW-CDMAに移行したわけだが、通信方式の違いなのか、あるいは端末自体の設計なのか詳細までは分からないものの、音声通話の品質に若干の違いがあるようだ。率直に言うと、Xperiaに変えてから、騒がしいところで通話していると、相手から「周りの音がうるさくてよく聞こえない」と言われてしまうことが多いのだ。普段でも通話の最中に「それ何の音?」などと聞かれることがあり、話者には気にならない音も大きく拾っているようだ。

XperiaとBH-700

 そうなると行き着く答えは、Bluetoothヘッドセットだろうと考え、手持ちの製品などを動員してひとしきり試してみた。最も有力な、というか使いたかったのがノキア製の「BH-700」。シンプルなデザインでボディはホワイト、筆者のXperiaにぴったりだと思ったのだが、唯一にして最大の難点は、通話時になぜか変な音が発生してしまうこと。これはXperiaとBH-700の組み合わせで発生し、BH-700のノイズキャンセルのアルゴリズムに起因していると思われるのだが、相手には「カタン」「パタン」といった、何かを叩くような音が頻繁に聞こえてしまうのである。調べてみると、BH-700の周囲でわずかな音が発生した場合、なぜか増幅されたようになって、「パタン」という音として相手に伝わってしまうようだ。そのほかの仕様に問題がないだけに残念だ。

 すでに「本日の一品」でも簡単に紹介したゼンハイザーの「VMX 100」はハイエンドモデルだけあってさすがに通話品質は問題なし。このあたりはデュアルマイク、DSPといった高性能機ならではの恩恵が受けられる。しかし最近はメガネ野郎となっている筆者にとって、耳掛け型はできれば避けたい形状なのが事実。さらに、高機能でかつ入手から時間が経過しているためか、バッテリーの持ちが思っていたよりもよろしくない。Xperiaとセットで充電する勢いでないと不安になり、さらに充電中はペアリングが切れるため、接続・再接続などでなにかとテンポが悪くなってしまうのだ。

VMX 100EZX 60

 期待の星として最近登場したのは、ゼンハイザーのエントリーモデル「EZX 60」だ。頭を激しく動かさないなら、BH-700同様に耳掛けフック無しでも利用できる印象で、待受時間なども最新モデルの水準で問題なし。しかしこちらはエントリーモデルとしてノイズキャンセル機能の弱さがネックになってしまった。室内では問題ないと思われるが、とある半地下の通路で通話していたところ「いったい何処の雑踏にいるのか」と場所を聞かれてしまったことがある。うるさい場所ではなかったのだが、ビルの設備や遠くの道路の音など、とにかく周囲の音を盛大に拾うようだ。話者の声は問題なく聞こえるので、ひとまず役目は果たしているのだが、インテリジェンスなノイズキャンセルには期待できないといったところだろうか……。

 一度足を踏み入れてみると、思いのほか奥深かったBluetoothヘッドセットの世界。まだまだ最高の1台を探す旅は続きそうだ。