L-04Bで再発見したケータイの基本機能

2010年8月9日 06:00
(橋本保)

 その昔、折りたたみ型のケータイが大流行し始めた頃のこと。「折りたたみ型は、ポケットやバッグに入れていても誤動作が起きにくいんです。その理由は、操作ボタンが露出していないからです」とメーカーの方が話していたことを記憶しています。

 そんな当たり前のことが、なぜ商品の特徴になるの? と首を傾げるかもしれません。けれど当時は、それほどにストレート型やスライド型が主流で、折りたたみ型も形状のバリエーションのひとつでした(iPhoneに代表されるタッチ型は、形状でいうとストレート型に分類されるはず。でも、それではしっくりこないので“タッチ型”と形容される?)。そして、ストレート型やスライド型には、誤動作防止を防ぐロック機能があり、その違いもメーカーの工夫のしどころでした。

 前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ本題です。

側面のロックボタン

 いま使っている「L-04B」なんですが、スマートフォンと併用する際の電話用の機種としては申し分ない選択肢です。先日、とある業界関係者が「私は仕事の都合でダメだけれど、妹がL-04BとiPhone 4の組み合わせがサイコー! と言ってたよ」と打ち明けてくれたのを耳にし、うんうんと頷いていました。

 ただ、誤操作防止のロック機能がいまいち使いこなせず、知らぬ間に電話をかけてしまったりということが頻発しています。その理由は、誤操作防止のロック機能を起動するには、脇の専用ボタンを長押しする必要があるからです。この“長押し”というのがくせ者で、私のような面倒くさがりの人間は、“短押し”はできるけれど、“長押し”が億劫だったりします。

 形状の薄さを維持するために、スライドスイッチではなくボタンを採用したのでしょうが、今日現在はうまく使いこなす技を編み出せていないので、しばらくは現状維持ということでしょう。余談ですが、良くある誤操作は、ダイヤルボタンを繰り返し押してしまい数字が画面いっぱいに並んでしまっている状態や、発着信履歴に残った相手先に電話をしてしまう操作が多いです。間違えて発信してしまった相手には「もう一度声が聞きたくなっちゃったんです」「寂しくて……」などと取り繕っていますが、このしゃべりこそが技かもしれません。そう考えると、電話を取りにくい相手に「あっ、間違えて連絡しちゃった」というのを口実に電話をすることもできるので、デメリットばかりではなさそうです。

 せっかくなので、不用意な操作をしがちな機能をもうひとつ。着信時に“応答”とガイド表示が現れ、センターボタンを押すと電話に出られるのですが、2度押すとスピーカーホンになってしまうのです。それを知らずに使っていると、耳に当てて喋っているときに、やたらと相手の声がでかくなってしまいます。それに気づかなかった頃は、“この人は、なんでこんな元気なんだろう?”とびっくりしたのですが、こっちが勝手にスピーカホン状態でケータイを耳に当てているだけでした。

 まぁ、こちらも思わぬ副産物というか本来の使い方なんですが、交渉ごとをするときなどは、スピーカーホンで話すほうが周囲にいる人とコンセンサスを取りながら会話ができます。ときにはやり取りに加わってもらうことも可能ですし、飲み会などで、遅れてくる人と話をするときなども便利でしょう。

 誤操作防止のロック機能、スピーカーホンのどちらも基本中の基本機能ですが、その使い方を考えさせてくれるという意味でも、L-04Bは素敵な選択肢です。

知らないうちにボタンを押しまくり着信画面