映画までもiPhoneでっ!

2010年11月15日 06:00
(白根雅彦)

 ついに日本国内においてもiTunes Storeで映画の購入・レンタルが可能になった。パソコン上のiTunesやiPhone上のiTunes Storeから利用できる。購入・レンタルした映画は、パソコン上のiTunesやiPhoneなどiOS機器、そして新発売のApple TVで楽しむことができる。

 さっそく映画「第9地区」をレンタルしてみた。初回再生から48時間のみ再生でき、価格は400円。SD解像度だが音声は5.1chにも対応している。容量は1.62GB、自宅の光回線環境でダウンロードすると、パソコンでは5分ほど、iPhoneでは15分ほどの時間がかかった。パソコンのiTunesに取り込んでからiPhoneに転送すると1分ほどで済むが、その場合はいわゆる「ムーブ」扱いとなる。ちなみにパソコンで再生中の動画を転送した場合、転送先デバイスでは再生が中断した時点から再生を再開できる。

 iPhoneで映画を視聴するのも、それほど悪くない。3.5インチディスプレイは映画を見るには少々迫力不足だが、イヤホンを使えば音質には問題もなく、暇つぶしで見るなら十分だ。画面を顔に近づけば、字幕も十分に読める(といっても、外出先で見るならば、画面を注視しないで済む吹き替え版がオススメだ)。映画を大迫力で楽しみたいならば、大画面テレビと5.1chスピーカーセットにパソコンかApple TVを繋げば良い。

 iPhoneユーザーにしてみると、iTunes Storeはアプリや音楽の購入ダウンロードでよく利用しているので、それと同じ感覚でパソコンやiPhoneから気軽に映画をレンタルできるというのがとてもありがたい。価格は必ずしも安くはないが、しかし200~500円ならば十分に手軽だ。iPhoneの3G回線経由では利用できないが、たとえば新幹線などで長距離移動する日は、朝のうちに自宅でササっとレンタル・ダウンロードしておく、という使い方が便利そうだ。

 「レンタル」というシステムも悪くない。レンタルの価格は購入の5分の1ほど。せいぜい2~3回しか見ない映画ならば、購入するよりレンタルの方が安上がりだ。再生期限が切れたら躊躇なくファイルを削除できるので、パソコンやiPhoneのストレージに余裕がないときにも使いやすい。

 ネット配信による映画の販売・レンタルサービスは、国内でもiTunes Storeが初めてというわけでもなく、すでにゲーム機向けやテレビ向けなどでさまざまなサービスが提供されている。それらの中で、もっとも自分に適したサービスを使えば良いわけだが、iTunes Storeの映画は、iPhoneユーザーにとってはもっとも使いやすいサービスになっている印象だ。しかし正直に言ってしまえば、既存のサービスに比べると、iTunes Storeは映画のタイトルラインナップの貧弱さに不満を感じてしまう。どんなに使いやすいサービスでも、見たいタイトルがなければ意味がない。まだスタートしたばかりのサービスなので、タイトル拡充はまだまだこれからという段階だが、早々に「見たい映画が常にある」というくらいになって欲しいところだ。