速度と使い勝手と電池の持ちの狭間で

2011年6月24日 06:00
(法林岳之)

 htc EVO WiMAX ISW11HTを使いはじめ、2カ月が過ぎた。いよいよ各社の夏モデルの販売が開始されるけど、春モデルのhtc EVO WiMAX ISW11HTも継続販売されるようだ。もしかしたら、店頭価格が安くなり、このタイミングでhtc EVO WiMAX ISW11HTを狙っている人もいるかもしれないので、参考までに、2カ月間のインプレッションを簡単にまとめてみた。

ホーム画面に通信関連のウィジェットを貼って、必要な通信機能のみを使うようにしたい

 まず、最大のセールスポイントであるWiMAX。確かに、速いことは速いし、ブラウザのサクサク感もグッと増す。ただし、2回目のエントリーでも書いたように、とにかく電池が減るので、節電対策として、WiMAXやWi-Fi、3Gをこまめに切り替えながら利用するのが基本。たとえば、アプリのダウンロードやアップデート、YouTubeなどの大容量コンテンツを使うときだけ、WiMAXを有効にする手が一般的だけど、逆に3Gをオフにして、WiMAXだけで接続する方法も意外に使える。htc EVO WiMAX ISW11HTは6月7日にアップデートが実施され、Cメールの送信にも対応したけど、3Gをオフにして、WiMAXのみで接続した状態でもCメールの受信は可能(送信は不可)で、音声通話は発着信共に利用可能だ。自分の使い方や状況に合わせて、いずれかを選んで使うようにしたい。

 もうひとつのセールスポイントであるテザリング。これも2回目のエントリーで触れたけど、電池残量への影響がかなり大きい。ちょっと使っただけのつもりなのに、えらく電池残量が減ってしまい、いざというときに音声通話ができないなんていうことは十分に起こり得るレベル。少しでも電池の消耗を抑えたいのなら、PCと接続するときはWi-Fiテザリングではなく、USBテザリングを使う方がベター。ノートPCのバッテリーは消費するけど、端末の充電もできるので、意外に実用的。

PCと接続するなら、テザリングはWi-FiよりもUSBの方が快適。PCのバッテリーは消耗するけど、充電できるのも便利Cメールは受信に加え、送信にも対応したが、絵文字には非対応。絵文字を多用する人とのCメール送受信には要注意

 auがいっしょに販売するXOOMとの組み合わせでは、Wi-Fiテザリングを利用することになるけど、これも公衆無線LANサービスなど、他の通信手段がないときの利用に留めておきたい。テザリングは期待する声が多いけど、端末本体の電池の消耗や安定性を考えると、個人的にはWiMAX搭載モバイルWi-Fiルーターなどの専用機器を使うのが賢明だと見ている。もちろん、緊急用として、機能が搭載されていることは歓迎するけど、日常的に使うんだったら、別にWiMAXや3G回線を契約した方が確実じゃないでしょうか。

 そして、最後に使い勝手。前回のエントリーでも書いたように、HTC端末は意外に独自仕様が多く、他機種と同じように使うには、別途、アプリを追加したり、設定を変更しなければならない機能も多い。夏モデルで標準搭載が増えたHDMI端子もいち早く装備しているけど、基本的に出力できるのは静止画のスライドショー及び動画再生のみで、Xperia arcやAQUOS PHONEのようなミラーリングの機能はない。

HDMI接続にも対応するが、基本的には動画とスライドショーの再生のみを出力できる。解像度は自動、720p、480pの3種類から設定可能HTC端末は独自のウィジェットが豊富。ウィジェットを設定する「ウィジェットの追加」画面から「他のウィジェットを取得する」を選ぶ

 もうひとつ付け加えると、悩ましいのがサイズと重量。複数の通信の方式をサポートしているので、しかたないのかもしれないけど、約170gという重量は明らかにヘビー級だし、ボディサイズも約67×122×12.8mmと大きめ。特に、最厚部が13.8mmという厚さは、ポケットに入れて持ち歩くときに、結構かさばる。特に、2台持ちなどを考えている人にとって、このサイズ感は厳しいんじゃないでしょうか。でも、機能的には充実しているし、9月以降にAndroid 2.3へのアップデートも予定されているので、もう少し先まで楽しみながら使えるモデルと言えるのかもしれません。