シンプルだから「G11」が手放せないのだ

2011年7月28日 06:00
(津田啓夢)

 インフラ系のサービスが着々とスマートフォンに対応しつつある。歓迎すべきことだしスマートフォンも利用しているくせに、「G11」使いの津田は内心なんだか少し焦っている。都内にいる限り、スマートフォン利用者が目に見えて増えてきているようだ。おそらく今、スマートフォンは“キテる”。「G11」のスライドを開け閉め開け閉めしつつ、今買うべき端末はスマートフォンの1択なのか考えてみる。

 スマートフォンは便利だ。TwitterやFacebook、最近だとGoogle+といったSNSでみんなと繋がっていられるし、パソコンと同じようにフルのブラウジングができるので、ITの世界の端くれにいる者には大変にありがたい。携帯SNSもスマートフォン対応が進んでいるが、Webやアプリのできること・やりやすいことの選択肢が増えた結果、スマートフォン版の利用には至っていない。一方「G11」では、今もソーシャルゲームをやっている。子供の頃流行っていた「ケシゴム戦争」のような、こじんまりとした楽しさがあるのだ。

 メールに関しては、スマートフォンよりも「G11」の方が使いやすい。これは、長年に渡る文字入力で培われた10キーのブラインドタッチによるところが大きい。フルタッチ型のスマートフォンでは、ある程度ブラインドタッチはできるものの、指の基点が不安定なせいか現段階では入力精度がイマイチ。経験値を増やすことで、大きな違いはなくなっていくのかもしれない。

 スマートフォンの代名詞ともなっているフルタッチ型の端末は、フィーチャーフォンよりも大画面で見やすい。ただ、大画面の分だけ片手では操作しにくいところもあり、つり革通勤族としては悩ましい。それに、親指操作の片手持ちだと、ディスプレイの手前に常に自分の親指があり、実利用においてはディスプレイの上半分ぐらいしか見ていないようにも思う。手の大きさや指の太さにも原因がありそうだが、フィーチャーフォンの場合、画面をタッチしないので全画面が確認できる。なお、両手で使うスマートフォンはフル画面だし、超絶に操作もし易い。そうなってくると、スマートフォンで一番気になるとすればバッテリーかもしれない。とくにAndroid端末の場合、それは顕著だろう。

 通話したい、メールしたい、電池を気にしたくない。そんなシンプルな理由から、「G11」を使っている。シンプルな欲求をシンプルに達成してくれるのがフィーチャーフォンで、その限りにおいて非常に安定した利用が可能だ。「G11」がスライド端末である点もシンプル操作に貢献している。フルのインターネットはスマートフォンに譲るが、携帯Webならではシンプルな使い勝手は、経路検索などがむしろ使い易い。携帯電話事業者の販売施策もあって、スマートフォンが買いやすいのは事実だけど、ケータイの実利用を考えた上でフィーチャーフォンという選択肢も残しておきたいところだ。