色にホレた! 「INFOBAR A01」のCHOCOMINT考察

2011年8月17日 06:00
(津田啓夢)

 「かっこいい!」と思えるものが欲しい。けれど、「かっこつけている!」と感じるものは持ちたくないし、「かっこつけてるな!」とも思われたくない。読者の皆さんは「INFOBAR A01」にどんな印象を持っただろう? 実は発表されたあの日、心の中で「キタコレッ!」と叫んでいたのだ。

 新しいケータイが発表されると、「どんな人にオススメだろう?」と考えながら取材する。携帯会社側がアプローチしたいユーザー層はもちろん、端末を触っていく中で「もしかしたら、こんなライフスタイルの人にもオススメかも!?」なんて自分で想像できた事柄を、記事や写真の中に織り込んでいく。手前味噌かつ大変地味だけど、まぁそういう心持ちで臨んでいる。

 ところが「INFOBAR A01」は違った。第一印象から「これは俺みたいな人にオススメだ!」と思った。読者へのオススメよりも先に「俺にオススメ」と思ったのは、2003年登場のリボルバースタイル「A5305K」以来だ。もちろんその間もたくさんのケータイを個人的に欲しいと思い、一般的な数よりも少し多めにケータイを購入/契約してきてはいるのだけど(笑)、とにかく「INFOBAR A01」の第1印象はいつもと違った。

 特に印象に残ったのはCHOCOMINTだ。チョコミントというと、エメラルドグリーンとスカイブルーの中間にあるような、鮮やかで強い色が採用される。そこに濃い茶色が組み合わさり、アクセントとして金色や小麦色があしらわれる。パッケージやポスターなどはとくにこのパターンが多いはずだ。若い女性向けの雑貨やファッションアイテムでは、茶色をドットやストライプパターンにすることで、ポップにかわいらしくまとめていく場合もある。

 「INFOBAR A01」のCHOCOMINTは、ブルー系2種類にブラウン系1種類という組み合わせで、どちらかというとアースカラーの配色となっている。カラーの名称から想像する配色は、ターコイズとブラウンの関係に近い鮮やかな配色パターンになるが、「INFOBAR A01」のCHOCOMINTはずっと穏やかで落ち着いている。差し色としてハードキーに採用されている紺系の色なんて、男性の着物に通じるような伝統的かつ自然な風合いだ。よくこの色を選んだなぁ、というのが正直なところ。最後まで色が決まらなかったというのもうなづける。

 深澤直人氏が手がけた「INFOBAR A01」の製品デザインは、機能をそぎ落とし、デザイン的に最小構成を志向するミニマル・デザイン風ではあるものの、目指すところは少し違うようだ。最小であることよりもまず、心地良さやぬくもりに繋がる要素が優先され、その上で最小であろうとする。最小であろうとしながら、ボディカラーはマルチカラーを採用している点もとても面白い試みかと思う。次回は、「INFOBAR A01」の最大の特徴とも言えるユーザーインターフェイスにフォーカスしてみよう。