しっくり来ないG'zOneのEメール

2011年9月14日 06:00
(法林岳之)

 フィーチャーフォンからスマートフォンに移行するときに欠かせないものとして、「ワンセグ」「赤外線通信」「おサイフケータイ」という三種の神器が挙げられるけど、もっと基本的な機能として、各携帯電話会社のEメール対応も欠かせないもの。auのAndroidスマートフォンでは、htc EVO WiMAX ISW11HTとXperia acro IS11Sが後日、バージョンアップでEメールに対応する予定だけど、それ以外はほぼ全機種がEメールに対応済み。G'zOne IS11CAは米Verizon向けのG'zOne COMMANDOというグローバルモデルをベースに開発されたモデルでありながら、出荷時にEメール対応を済ませている。

 ただ、auのEメールは今のところ、各メーカーが個別に対応し、アプリも各メーカーがそれぞれで開発しているため、実はメーカーごとに使い勝手が違う。G'zOne IS11CAがグローバルモデルをベースにしながら、いち早くEメールに対応したのは評価できるんだけど、実際に使ってみると、個人的には独特の使用感がなじめず、今ひとつしっくり来ないのだ。

本体の電話帳とは別に、Eメールのみで利用するEメールアドレス帳が用意されている。本体電話帳からは読み込めるが、あくまでも別のデータ
受信したメールを移動したいときは、一覧画面でメールを選択して、フォルダへ移動する手順になる。1通のみを移動するときもこの手順

 まず、気になるのが「Eメールアドレス帳」という存在。Androidスマートフォンには標準で電話帳(連絡先)が用意されているけど、G'zOne IS11CAは電話番号やメールアドレスなどを登録できる電話帳とは別に、Eメールを利用するときのEメールアドレス帳が別に用意されている。はじめて使うときは、標準の電話帳に登録されているEメールアドレスをEメールアドレス帳に読み込むことができるので、それほど面倒ではないが、実際に使いはじめると、どうも2つのアドレス帳(電話帳)が存在することがしっくり来ない。たとえば、電話帳でメールアドレスを修正してもEメールアドレス帳には反映されず、Eメールアドレス帳で再読み込みをしなければ、反映されない。メールアドレスの修正はそんなに多くないけど、そもそも個別になっているメリットが見いだせない。

 メーラーとしての使い勝手も今ひとつだ。たとえば、受信したメールを他のフォルダに移動するには、受信メール一覧画面を表示し、画面最下段のメニューから[他メニュー]-[選択]で、選択モードに切り替えて操作する必要がある。デコレーションメールを受信し、返信しようとすると、出荷時設定では元のメールが引用されるため、必ずデコレーションメールの作成画面が表示されてしまう(これは他機種にも多い)。ちなみに、デコレーションメールについては、テンプレートに対応していないため、自分から送信するときはひとつずつ編集しなければならない。もっとも「G'zOneな野郎はデコレーションメールなんてしないぜ!」って言われそうな気もするけど……。

 この他にもAndroidスマートフォンでは使われることが多いロングタッチのメニューがどこにも使われていなかったり、未読メールを連続して読める[未読]なんていう便利な項目がEメール画面にあるのに、画面の下の方に表示されている上、表示位置を変更することもできないなど、Androidプラットフォームの仕様をちゃんと活かせず、使いやすさを十分に考えていないように見えてしまう。もちろん、好みの問題もあるので、なかにはこれがしっくり来る人もいるのかもしれないけど、正直なところ、ボクは今ひとつ……。

せっかく未読メールを順番に読める項目が用意されているのに、Eメール画面の下段の方に表示されているので、今ひとつ使いにくいメールが着信すると、左上のLEDが点滅する。点灯するカラーがグリーンとレッドで選べるのみで、点滅パターンなどは選べない