PRADA phoneを海外に持っていくためにしたこと

2012年2月29日 06:00
(石野純也)

 この記事が掲載される頃には、スペインのバルセロナで「Mobile World Congress」を取材中だと思う。恐らく、現地で書いた原稿も掲載されているはずだ。みんなのケータイ執筆中の今現在はまだ日本にいるわけだが、海外渡航のためにいくつかの準備をしている。筆者が利用中の「PRADA phone L-02D」に限らず、海外でのスマートフォン全般に役立つ話題も交えて、ここに書き留めておきたい。

 真っ先に行ったのが、料金プランの変更だ。海外ローミングでは通話料金が非常に高く、スペインの場合はどのキャリアに接続しても日本向けの通話は1分あたり180円もかかる。着信も1分100円となり、気を抜いて長電話すると料金が跳ね上がってしまう。現地同士の連絡には、スペインで契約したプリペイドのSIMカードを利用するつもりだが、日本からいつもの番号にかかってきた電話を取らないわけにはいかない。そこで活用したいのが、無料通話だ。どのキャリアもほぼ同じような仕組みだが、基本使用料の高いプランになればなるほど、無料通話の“比率”も高くなる。通話が多いことが分かっている海外出張のある月には、普段より高いプランに変更しておくのがおトクなのだ。前回のみんなのケータイでも書いたように、普段は「プランL」を契約しているため、2月の頭に「プランLLバリュー」に変更した。ドコモの場合、月2回のプラン変更は無料で、基本使用料や無料通話分まで日割りで計算されるのがうれしい。Webやdメニューのお客様サポートにある「My docomo」ですぐに手続き可能なため、海外出張を控えた人は、気づいた時点で料金プランを変更しておくといい。

 料金プランを変更したあとPRADA phoneをドコモショップに持っていき、SIMロックを解除してもらった。このコーナーで度々紹介しているように、普段海外に行く時はSIMフリーの「Nexus S」を持参して現地のプリペイドSIMを購入しており、メイン端末のデータローミングは到着初日などを除き原則としてオフにしている。ただ、SIMロックを解除しておけば、Nexus Sの電池がなくなってしまった際の予備端末として活用できる。今年のCESではうっかりNexus Sを紛失してしまい、セキュリティセンターに預かってもらえて事なきを得たが、翌日受け取った端末は電池残量が1ケタになっていた。そんな時にもメイン端末のSIMロックが外れていれば、海外用端末の充電が完了するまでの間、現地のSIMカードを挿しておける。緊急時ぐらいは国際ローミングを使えといわれそうだが(笑)、大きなイベントでは海外番号同士の通話も多くなるため、このように運用した方が利便性も高いのだ。

 なお、SIMロックを解除しても、PRADA phone単体ではそれが成功したかどうかまでは確認できない。失敗しているといざという時に困るので、米国で買ったT-MobileのSIMカードを挿してみた。アンテナピクトを見るとドコモに接続した国際ローミングになっているので、SIMロック解除には成功したようだ。ソフトバンクやイー・モバイル(1.7GHz対応の端末に限る)を契約していれば、そのSIMカードを使って確認してもいいだろう。

 最後に、PRADA phoneのアプリの並びを変え、「シーン」として保存した。シーンとは、LGエレクトロニクスのスマートフォンに搭載される機能で、ホーム画面を丸ごと残して切り替えなが使うことができる。シチュエーションに合わせたホーム画面をあらかじめ用意しておけば、その都度アプリを並べ直す必要がないというわけだ。今回、海外では主に通貨換算アプリや、国際時計ウィジェット、翻訳アプリなどの利用頻度が上がる過去の経験を踏まえ、これらを一番使いやすい場所に配置しておいた。あとは現地に着いたら、シーンを切り替えるだけ。こうして準備を整えたPRADA phoneが、今、バルセロナで大活躍している……はずだ(笑)。ちなみに、LGエレクトロニクス以外の一部メーカーも、似たようなシーン機能を採用している。特に環境がガラッと変わる海外出張では便利なので、搭載端末を持っている人にはぜひ試してみることをオススメしたい。