【AQUOS PHONE SERIE ISW16SH】

頑張れ「Feel UX」

2012年7月27日 06:00
(湯野康隆)

 シャープの夏モデルでは「Feel UX」という新たなホームアプリが採用されている。ロック画面を含め、全く新しい発想で作られたという新UIだが、購入後1カ月ほど使ってみての率直な感想を記しておきたい。

3ラインホーム

 Feel UXの基本となるのは、「アプリ」「ウィジェット」「ショートカット」という3つのシートで構成される「3ラインホーム」。Androidでホーム画面に貼り付けられる3つの要素ごとにシートを分割して整理する、という発想である。通常のAndroid端末の場合、ホーム画面とアプリリストという2層構造になっているが、3ラインホームの場合は1層のみ。より正確に表現すれば、アプリシートが通常端末のアプリリストに相当し、それと横並びでウィジェット専用のホーム画面とショートカット専用のホーム画面が用意されている、といった形だ。

 これに加えて用意された「ウェルカムシート」と呼ばれるロック画面は、フィーチャーフォン時代で言う、待受画面に相当するような存在。壁紙エリアには好きな写真を登録(5枚まで)しておくことで、横にフリックすることで切り替えられるようになっている。その下のインフォエリアには、時計や天気予報、株価といった情報を表示させられる。

 以上がFeel UXの概要なのだが、正直なところ、長らくAndroid端末を利用してきた筆者のような人間は、当初、かなり戸惑った。何しろAndroidのお作法が通用しないのだ。ただ、3日も使うと不思議と慣れる。で、しばらくすると、アプリシートとウィジェットシートはほとんど表示することが無くなり、ショートカットシートだけで事足りる感じになった。

ウェルカムシート(天気予報)。予報に合わせてアニメーションする

 ウェルカムシートについては、株価なんかはあまり興味が無いのでそもそも不要だし、天気予報も数日後まで表示してくれないと意味が無いような気がして、両方とも非表示にしてしまった。結果的にシンプルな時計表示になってしまい、愛する我が子の写真を5枚登録しているほかは、他の端末のロック画面と大して差が無い状態になっている。たぶん、「ここに歩数計を表示させてよ」と思うユーザーは多いのではないだろうか。

 おそらく、Android端末の利用経験が無いユーザーにとっては、フィーチャーフォンの画面遷移に近く、シンプルな構造のFeel UXはとっつきやすいのだろう。一方、画面下のナビゲーションバーのアプリ割り当てを変更できないなど、カスタマイズ好きなヘビーユーザーにとっては不満が募る部分も少なくない。あまり自由度が高過ぎても初心者がついていけなくなるという懸念はあるものの、もっとカスタマイズできる領域を増やしてほしいのだ。

 筆者はもうしばらくFeel UXを利用してみようと思うが、Google Play Storeから104SHなどで実績がある「SHホーム」というホームアプリをダウンロードすることも可能なので、どうしても耐えられないという方はそちらを試してみてもいいだろう。