【ARROWS X F-10D】

クアッドコアがやってきた!

2012年8月23日 06:00
(日沼諭史)

 「ARROWS X F-10D」に機種変更した。“クアッドコア”という、ただそれだけでも、自分にとっては発売日当日にMNPするには十分過ぎる動機付けになる。まったく、熾烈なスペック競争に湧いていた一昔前の(個人的な)自作PC全盛時代を思い出すかのようだ。CPUだけが端末の良し悪しを決めるわけではないと頭ではわかっているのに……。

 ただ、これまで使ってきたDIGNO ISW11Kはシングルコアだったので、マルチコアでさらに快適になるのか、バッテリー消費はどうなのか、メリットもデメリットも含めて一度ハイスペック端末を使い込んで確かめてみたかった、というまっとうな理由ももちろんある。Android 4.0も待ちきれなかったわけで。

ARROWS X F-10D端末サイズは決して小さくはないが、手が大きめなのもあって気にはならない
おサイフケータイ、おくだけ充電(Qi)、指紋認証といった多彩な機能を備えるホームキーの両脇にある隙間に温度・湿度センサーが埋め込まれているという

 購入してから3週間ほど使ってみた感触としては、やっぱり超快適! というか、常に全速力で走っている感じ。実際には、スリープ時はコンパニオンコアと呼ばれる省電力の専用コアが動いているらしいし、通常使用時も処理内容に応じて適切な動作クロックで稼働させているはずなので、“常に全速力”ではないのはわかっているけれど、あらゆる操作に対する反応速度、画面スクロールの滑らかさなどが段違い。さすが、クアッドコアのTegra3!

 なんだけれども、その分バッテリーのもちは厳しい印象。サクサク動くのがうれしくて、ついつい長時間触りっぱなしになるのが原因かもしれないとは思いつつも、総合的にDIGNOよりはややバッテリーがもたないかな、と感じる。端末独自の省電力機能などもうまくカスタマイズして、できるだけ長くもたせてみたいところ。それと、ゲームのように負荷の高いアプリを使っていると、端末本体、特にディスプレイ側が熱をもちやすいようだ。熱のせいで即機能制限されるとか、手で持っていられない、ということはないので、今のところ不満や不安を抱くほどでもなく、ちょっと気になる程度。

センサーで取得した気温と湿度を表示してくれるウィジェット

 NOTTVを除く、おサイフケータイやワンセグなど“ほぼ全部入り”の端末で、それに加えて「おくだけ充電」や指紋認証など実に多くの機能を備えている「ARROWS X F-10D」。その中でもとりわけ興味深かったのは気温・湿度を計測できる機能だ。端末に温度・湿度センサーを備えていて、ウィジェットで現在の気温と湿度をわかりやすく表示するだけでなく、過去1週間分の記録を点グラフと線グラフで確認できるのだ。さらに、その気温・湿度に応じた“快適指数”を表示するとともに、屋内や屋外における過ごし方のアドバイスをしてくれるのもうれしい。

 気温と湿度の記録をどう活用するかは難しいところだけれど、たとえばグラフを見て温度変化が大きかったり、湿度の低い場所ばかりにいるようであれば体調を崩しやすいだろうと想像できるので、それをもとに日々の過ごし方や服装などに気をつける、といったことができそう。ほぼ常に持ち歩いているスマートフォンだけに、日常生活に結びつくさまざまな種類のセンサーが増えていくのは、純粋に面白いし、使い道を探すこと自体が楽しい。スマートフォンではどんなアプリを使うかが大事、とはよく言われるものの、やっぱりハードウェアにどんな機能が載っているのか、というのも重要なんだと今さらながら思った。

過去1週間分の気温・湿度の推移がわかる気温・湿度にもどづいた生活のアドバイスもためになる!