みんなのケータイ

フルHDディスプレイを搭載したHTC J buttefly。auでは、唯一のAndroid 4.1採用モデルでもある

 前回の予告どおり、メインで使うスマートフォンを機種変更した。選んだのはauの「HTC J butterfly HTL21」。“ひとめ惚れの予感です”のキャッチコピーどおり、発表会で触った瞬間に「今すぐほしい」と思ったからだ。フルHDディスプレイの美しさや、指に吸いつくようなレスポンスのよさ、F値2.0の明るく撮れるカメラ、デザインのよさなど、気に入った点は数々ある。執筆時点で、使い始めてからまだ3日しか経っていないため、それぞれに対しての評価は今後このコーナーで随時お伝えしていきたい。

 auの800MHz/1.5GHz帯を利用するLTEも、購入に踏み切った大きな理由のひとつ。すぐにわかったのが、速度の速さだ。自宅兼事務所内では普通に下り20Mbps程度出ているが、混雑しなちな都心のターミナル駅でも十分なスループットを得られる。筆者は、人が多い割に基地局が設置しづらく、“キャリア泣かせ”で有名(?)な池袋駅の利用が多いが、そのような場所でも快適だ。ほとんどのエリアを10MHz幅、下り最大75Mbpsでエリア化していることが、功を奏しているようだ。

 HTC J butterflyに機種変更してからまだ都内を出ていないため、エリアについても今後、細かくチェックしていきたい。ただ、都心部に限った話だと、屋外は非LTEエリアの方が少ないのではという印象を受ける。自宅兼事務所から駅に行き、目的地までほぼずっとLTEが入りっぱなしということも珍しくない。屋内についてはまだまだと感じる部分もあるが、浸透性の高い800MHzのおかげか、アンテナピクトが1本もしくは2本ほどでギリギリ電波をつかむところも多い。それでも、安定して10Mbps前後の速度が出るのは大したものだ。もちろん、まだユーザーが少ないという事実は、割り引いて考えておきたい。LTEユーザーが増えたあと、この快適さをどこまで保っていられるのかが鍵になりそうだ。

筆者の自宅兼事務所では、アンテナピクトが4本立つ状態で安定している。速度は、おおむね20Mbps前後出る
玄関付近に移動すると、アンテナピクトが1本になる。ギリギリで受信できているのは、800MHz帯の浸透性が高いためだろう。この状態だと、速度は当然ながら低下する
背面のカーブが手にフィットする。5インチというサイズを感じさせないのも、こうした工夫があるからだ
ATOKの設定で「タブレット」をオンにすると、キーボードを左右のどちらかに寄せることが可能になる

 話題がネットワーク方面に脱線してしまったので、閑話休題。HTC J butterflyそのものに話を戻そう。この端末を持ってすぐに感じたのは、5インチなのに操作がしやすいということ。今まで利用していた「GALAXY S III SC-06D」が4.8インチだったため、およそ0.2インチ大きくなっている。ひょっとしたら片手での操作が厳しいのではないか。そう予想していた。ところが、実際に手に取ってみると、ギリギリではあるがなんとか片手で使うことができる。HTCの発表会で説明していたように、本体背面と四隅の曲線が手にフィットするためだ。この辺りは、非常に細かく計算された設計になっていると感じた。

 それでも、文字入力時に左寄りのキーを押すのが少々大変だ。操作できないわけではないが、長い間使っていると手が疲れてしまう。そこで、キーボードをカスタマイズしてみた。筆者は元々ATOKをインストールしていたので、設定の「入力補助」で「タブレット」をオンにした。こうすると、キーを左右のどちらかに寄せることが可能だ。自分の場合は、右手での文字入力が多いため、右寄せに設定。端末の右下を握っても、違和感なく入力できるようになった。できれば変換候補も右寄せになってほしいところだが、今後のアップデートに期待したい。ATOKはauスマートパスにも採用されているため、ぜひ試してみてほしい。

 惜しいのは、「戻るキー」が左側に配置されていること。Androidが2.3から(というより「Nexus S」の登場から)標準を左にしたため仕方のない部分ではあるが、利用頻度が高いキーだけにこの位置だと少々押しづらい。サムスンはNexusシリーズを例外として標準を無視し続け、戻るキーを右に配置しているが、ユーザーの使い勝手を考えると、そちらの方が正解のように思える。

 フルHDディスプレイの恩恵も、すぐに感じることができた。440ppiという恐ろしくピクセル密度の高いディスプレイで、例えば、『ケータイ Watch』をPC表示にして1画面に収めても、細かな文字までしっかり読める。ただ、当然文字が小さくなるため、結局は拡大してしまうのだが(笑)。その意味で、本当に実用性が出てくるのは、写真や動画を表示したときなのかもしれない。ほかの端末でもそれなりにクッキリ見えるが、HTC J butterflyだと映像に立体感が出る。ちょうど、4K2Kのテレビを適度な距離から見た印象に近く、「フルHDすごい」と感じるところだ。その映像を生み出すためのカメラも、性能はなかなか。暗いところで撮っても、比較的ノイズが少ない。F値2.0のレンズが効果を発揮していると言えるだろう。作例は、もう少し写真を撮り貯めたあとで公開したい。

前回の「みんなのケータイ」を、縮小表示したところ。読みづらいが、細部まで文字の形が保たれている。画面キャプチャはリサイズなしで掲載したので、ぜひ開いてみてほしい
写真では分かりづらいが、画像に映し出した映像がとにかく精細。3Dではないのに、浮かび上がって見える

 というわけで、まずはHTC J butterflyのファーストインプレッションをお届けした。今後も随時このコーナーで、気づいたことや、操作を快適にするためのコツなどをつづっていきたい。