みんなのケータイ

 1月はじめに催された2013 International CES。スマートフォンやタブレットをはじめ、家電製品を数多く出品される展示会ということもあり、多くのメディア関係者がラスベガスを訪れる。

 ラスベガスの主たる目的は当然、取材なんだけど、こういう仕事をしていることもあって、期間中、本誌ライター陣をはじめ、メディア関係者は、現地の家電量販店などに訪れる。たとえば、現地での通信手段を確保するため、プリペイドSIMカードを購入したり、モバイルWi-Fiルーターを買ったりするわけだ。かく言うボク自身も今年は、以前、石川温氏が本コーナーで紹介していたVirgin MobileのモバイルWi-Fiルーター「Overdrive Pro 3G/4G Mobile Hotspot」を購入した。滞在したホテルの割り当てられた部屋の電波環境が今ひとつで、窓際に置いて、ようやく4G(WiMAX)のアンテナが立つという程度だったけど、屋外や大通りに面した場所ではある程度、快適に使うことができたので、米国に出張する機会があれば、持っていくつもり。

iPad Retina Display 64GB Wi-Fi&Cellular Black(左上)とSmart Cover(右上)を購入

 もうひとつ購入したのがiPad Retinaディスプレイモデル(いわゆるiPad 4)。すでに国内で販売されているiPad 4のWi-Fiモデルは持っているし、Wi-Fi+Cellularモデルは新しいiPad(いわゆるiPad 3)ののSIMフリー版(シンガポール版)を白根雅彦氏の協力で昨年春に購入済みで、2013 International CESでは前述のVirgin MobileのモバイルWi-Fiルーターと組み合わせて使っていた。それでも新たにiPad 4を購入したのは、米国で販売されているVerizon版iPad 4が使いたかったからだ。

 ラスベガスでもっとも安定した通信環境を持つ携帯電話事業者がVerizonであることは、過去の滞在で確認済みなんだけど、一昨年からLTEによるサービスを提供していて、現在販売されているVerizon版iPad 4ではLTEサービスが利用できる。本当はiPad miniの方が良かったんだけど、ラスベガスのApple Store(3軒もある!)でも入荷数がまだ少ない上、実は別件でiPad miniのWi-Fi+CellularモデルのSIMフリー版(香港版)を手配済みだったので、今回は素直にVerizon版iPad 4(Model A1460)を購入した。

 iPad 4のWi-Fi+Cellularモデルを海外で購入となると、契約が面倒そうだけど、実はApple Store(実店舗)で購入すると、お会計をして、パッケージをそのまま渡されるだけ。回線契約については、オンラインサインアップで登録するしくみになっていて、転送量に応じて3つの月額料金プラン(参考ページ)から選ぶことになる。登録する住所などはホテルにしておけば、大丈夫みたいだし、支払いも日本のクレジットカードが使えるので、すんなりと契約できた……と言いたいところなんだけど、実はApple Storeで購入して、ホテルに戻り、晩ご飯を済ませた深夜に登録しようとしたら、渡されていたのはAT&T版(Model A1459)だったことが発覚! AT&T版はLTEの対応する周波数帯がBands 4(AWS)とBands 17なので、日本や米国外での使い道が大きく制限されてしまう。翌朝、あわててApple Storeに持っていき、交換を申し出たら、快く対応してくれた。購入するときは、必ず背面の表記を確認しないといけません。iPhoneも容量を間違えること(こちらの英語力が原因)があるので、要注意です。

 ということで、無事にVerizonのLTEサービスをiPad 4で使うことができたわけだけど、非常に快適に使うことができた。混雑した会場でiPad 4を取り出して、すぐに通信ができたし、ネットワークのパフォーマンスも安定していた。帰国便のロサンゼルス乗り継ぎの最後まで使うことができたので、かなり役に立った気分だった。ちなみに、帰国前に月々の料金プランを自動更新しないようにする必要があるとのことで、これも忘れずにオンラインで設定しておいた。

 そして、帰国後、今度はNTTドコモのLTEネットワークに対応したMVNO「BB.excite」のmicroSIMカードを挿して、利用しようとしたんだけど、残念ながら、iOS 6.0.1では3Gのみで接続され、LTEで接続するには「ipswファイル」の再インストールなどが必要とのこと。ただ、もうすぐiOSがiOS 6.1にアップデートされることはわかっていたので、帰国後はしばらく3Gのまま、利用していた。

 そして、1月29日、無事にiOS 6.1が公開され、Verizon版iPad 4でNTTドコモのLTEネットワーク(Xi)に接続することができた。画面左上のアンテナピクトのところには、しっかりと「NTT DOCOMO LTE」と表示されている。ただ、LTEネットワークの2.1GHz帯のみの利用になる上、ユーザー数が多いためか、あまりパフォーマンスが良くないのが残念なところ。とは言え、3Gでも十分に快適だし、何よりもエリアの広さはかなり魅力。先日も沖縄と宮古島、久米島に出かけたけど(iOS 6.1アップデート前)、3Gではいずれの島でもちゃんと使うことができた。もちろん、ボクが出向いた範囲に限られるけど。

米国でiPad 4を購入するときは、日本などでの利用を考えて、Verizon版とSprint版がおすすめとのこと。店頭で受け取ったときによく確認!
オンラインサインアップが完了すると、こんな画面が表示される。クレジットカードは日本発行のものが使え、住所はホテルの住所をそのまま入力した
帰国して、BB.exciteのLTEネットワークサービス(NTTドコモのMVNO)のSIMカードを挿したところ、表示は3Gのまま
iOS 6.1にアップデートすると、「LTEをオンにする」のスイッチが表示され、左上のアンテナピクトも「NTT DOCOMO LTE」と表示された

 アメリカでiPadを買ってみて、日本との大きな差を感じたのは、購入に際して、語学力とお財布以外のストレスがほとんどなく、自分の使い方に合わせた契約が簡単にできること。オンラインサインアップで契約して、1カ月だけ使って、また使いたいときに再開するなんていう契約も可能。同じiPadなのに、日本ではどうして、こうも不自由なんですかねぇ。Wi-Fi+CellularモデルのiPadを買いに行って、フォトスタンドやモバイルWi-Fiルーターまで勧められるなんて、意味がわかりません(笑)。もうちょっと何とかなりませんか? >アップルさん、KDDIさん、ソフトバンクさん