みんなのケータイ

「NX!エコ」の設定画面。“バックグラウンドのデータ通信”が端末設定の“モバイルデータの制限を設定する”と連動している

 以前このコーナーで「3G/LTE時にGoogle Play Storeからアプリをダウンロードできないことがある」と書いた。「NX!エコ」で“バックグラウンドのデータ通信”をチェックしていると発生することがある、としていたが、その後の調べで、端末設定画面の「データ使用」にある“モバイルデータの制限を設定する”にチェックが入っているかいないかで、挙動が変わることがわかった。一部読者の方に混乱を招いてしまったかもしれないので、この場を借りてお詫びしたい。

 「NX!エコ」の“バックグラウンドのデータ通信”と、端末設定の“モバイルデータの制限を設定する”は連動しているようだ。ただ、端末設定の“モバイルデータの制限を設定する”は、本来、3G/LTEの通信量が別途設定した上限値に達した場合に通信不可能になる機能のはず。その上限値に達していないにも関わらず、しかもアプリのダウンロードだけができなくなるのは不可解……。

“モバイルデータの制限を設定する”を有効にすると、なぜかアプリをダウンロードできなくなる場合があるようだ
注意文にも、制限値に達したら通信できなくなる、とあるが……

 ちょっと気になってドコモショップで相談してみたところ、同様の事象はこれまでに報告されていないとのこと。ネットで検索する限りでは他にも同じ症状に悩まされている人がいるようなのだけれども、レアケースなのだろうか。念のためドコモ側で検証していただいたものの、再現しないとの回答だった。Google本社のサポートにもメールでコンタクトし原因を探っていただいたのだが、「コネクティビティに問題がありそう」「工場出荷状態に戻すしかない」という結論で、「キャリアに相談すべし」と匙を投げられてしまった。といっても、わざわざGoogle Play Store上の通信記録まで確認していたみたいで、かなり丁寧に対応していただいている。

 改めてドコモショップで経緯を報告し、今回の症状をレポートとして上げてもらうことを約束していただいた。いずれソフトウェア更新で修正されるかもしれないし、されないかもしれない。1月以降出荷分のF-10Dでは本体(またはソフトウェア)に何らかのバージョンアップがあったらしい、という話も聞けたものの、今回の件と関連しているかどうかはわからなかった。

 工場出荷状態に戻せば症状は発生しなくなるが、そのたびにリセットしていたのでは効率が悪くて仕方がない。「いろんなアプリをインストールするわけだから、想定外の不具合はちょいちょいあるだろうし」と割り切るのもなんかちょっと違う気もする。特に今回は、どこが不具合のフックになっているのかピンポイントで判明しているだけに……。Android 4.0の問題なのか、F-10D固有の現象なのかもわからずじまいだったが、いつか修正されることを祈るばかりだ。

 というわけで、2012年の夏当時はまだ珍しかった“クアッドコア”に惹かれて半ば衝動的に購入したARROWS X F-10D、およそ半年間にわたってメインのスマートフォンとして活躍してくれたわけだが、前述のようなトラブルもありつつ、それでも楽しめることも多かったし、いろんな意味でAndroidについてたくさん学べた端末だったなあ、と思っている。

 バッテリー持ちがあまりよくなかったり、充電しながらの長時間使用で発熱しやすく、カメラなどの機能が一時的に使えなくなったりと、使い勝手に影響するトラブルが気になることもある。でも、そのおかげで、可能な限りバッテリーを節約する方法や、発熱させにくい使い方を学ばされただけでなく、細かな設定項目に対する理解を深める結果にもなった。そういう意味では、ARROWS X F-10Dはまさに“ユーザーを育てる端末”だったのではないか。F-10Dにかけた手間は、他のAndroidスマートフォンでもなにがしかの役に立つ知識として蓄積されているはず、と信じたい。

ARROWS X F-10Dの次は……!?

 3Dゲームを楽しめるパワフルな性能や、手軽に充電できる“おくだけ充電”、大容量のストレージ、高速なXi、歩数計、指紋認証、ワンセグ、おサイフケータイなど、初めてのクアッドコア端末を全部入りで思う存分堪能できたF-10Dも、そろそろ卒業。1月にはドコモから春モデルが発表され、Xperia ZやMEDIAS W、そしてARROWS Xの新モデルなど、話題や人気を集めそうな端末がいくつか登場した。KDDIからも新しいINFOBAR A02が発売されるが……。さて、次の端末はどれにしようかな。