みんなのケータイ

ELUGA X P-02E

 ARROWS X F-10Dの次は、パナソニック製の全部入り端末「ELUGA X P-02E」をチョイスしてみた。フルHDディスプレイやパワフルなクアッドコア、Miracastをはじめとする家電連携、おくだけ充電対応など、いろいろ注目すべきところはあるけれど、購入の一番の決め手となったのはELUGA Xの“操作性”だ。

 まず、個人的にはハードウェアキーの重要度が高かった。ドコモの春モデルの中でいえば、ホーム・バック・メニューの各ハードウェアキーを備えているのはELUGA XとAscend D2 HW-03Eのみ。ハードウェアキーを省いた端末は、デザイン性が高まったり故障の原因となる箇所が減る、といったようなメリットがあり、反対にハードウェアキーのある端末は、ソフトウェアキーを表示しないため大画面をフルに活かせる、という良さもあって、一概にどちらがベストとは言いにくい。ただそれよりも、スリープから復帰しやすいことの方が筆者としては重要だった。端末を使いたいときに、だいたいがこぢんまりとしている電源キーを押すことから始めるのは面倒だったりするのだ。

おくだけ充電はやっぱり便利
ハードウェアキーの有無はけっこう重要
筐体の下の方に寄っている電源ボタンとボリュームキー

 ELUGA Xのハードウェアキーは、大きくはないもののクリック感が軽いのがグッド。力を込めないと反応しないボタンだと、それだけでレスポンスが悪く感じてしまう。ちなみに、端末の上下がデザイン的にシンメトリックに近いせいか、ホームボタンを受話口のスピーカーと見間違えて端末を逆さまに持ってしまうこともあったりする。これはきっと慣れの問題だろうけれど。

 次に気に入ったポイントは、ELUGA Xの電源ボタンとボリュームキーのレイアウト。端末を右手で握ったとき、ちょうど親指のあたりに電源ボタンがくる配置になっていて、そのすぐ下にボリュームキーがある。ELUGA Xはホームボタンもあるから、スリープ解除のために電源ボタンを押す必要はあまりないのだが、すぐにディスプレイをオフにしたいときや、ボリュームを調整したいとき、端末を握り直さずに片手のまま扱えるのはありがたい。

右手で握るとちょうど親指の位置に電源ボタンが
左手の場合でも人差し指ですぐ押せる

 旧機種のELUGA V P-06Dも電源・ボリュームキーを下の方に寄せているし、ドコモ春モデルの中ではXperia Z SO-02EやAQUOS PHONE EX SH-04Eも同様のレイアウトだ。でも、それ以外のほとんどの端末はこれらのキーが上の方にあって、ちょっと押しにくい。特にソフトウェアキーを採用している端末では、日常的な使い勝手の面から考えると、電源キーの位置は重視したほうが幸せになれるんじゃないかと。

 あとはソフトウェア面での工夫。ELUGA Xにプリインストールされているホームアプリは「docomo Palette UI」の他に、パナソニック独自の「フィットホーム」と「ケータイモード」があるのだが、「フィットホーム」では、インストールしたアプリの一覧などが画面下半分にコンパクトに表示されるようになっている。これも、端末を握り直したり、両手を使ったりすることなく、親指だけで素早く操作できるようにするパナソニックならではの配慮だろう。

本文とは関係ないが、保護フィルムを貼ったらdocomoのロゴが無残にも中途半端に隠れてしまって悲しいことに
画面下半分にアプリの一覧などが表示されるので、親指で操作しやすい
並び替え機能で“よく使うアプリ順”にするとかなり快適
アプリだけでなく、ウィジェットも選択できる
ホームボタン長押しで、頻繁に使うアプリを起動できるランチャーが表示
アプリを終了できるタスクマネージャー機能も
ホーム画面の下の方でフリックしても通知パネルを開くことができる

 さらに、通常は画面最上部のステータスバーから引き出すようにして表示する通知パネルを、ホーム画面の下の方でもフリック操作で開けるようになっているのもうれしい。実は前回まで使っていたARROWS X F-10Dの標準ホームアプリ「NX! comfort UI」も同じ機能をもっているのだが、こういった使い勝手の工夫は、細かい部分とはいえメーカーももうちょっとアピールしてもいいのでは、なんて思った。

 解像度の向上に伴って、ディスプレイサイズが徐々に拡大してきているAndroidスマートフォン。当然、端末の縦横サイズも大きくなりがちで、女性など手の小さい人にとっては選びにくいラインナップになっているかもしれない。そんな中でも、ELUGA Xは、操作性に配慮した気づかいがあちこちに見受けられて良端末の予感。サイズが大きそうという理由だけで避けているユーザーにも、ぜひ触ってみてほしいと思う。