みんなのケータイ

 今年のMobile World Congressの取材では、編集部間のやりとりは音声サービスも含めほとんど「LINE」で行った。もうはっきり言ってしまうと、日常のやりとりは「LINE」で充分なのだ。……と、書いたそばから覆すと、別に「LINE」でなくてもいい。メッセージのやりとりができて音声もできればいいのだから、「LINE」以外の選択肢も当然あるのだ。

 いやしかし、先日参加した合コンでは、連絡手段を交換する際に「LINE」の「ふるふる」(端末を振って近くのユーザーを見つけるというもの)を使った。たくさん使っている人がいるし、なによりこうして合コンの連絡先の交換も簡単。やっぱり「LINE」だ! そうだ「LINE」しかないぞ! と鼻息も荒くなる。

 「GALAXY Note II」には、「ChatON」というメンバーチャットアプリがプリセットされている。Google Playでの評価は星4.1つ(5つで満点)と高評価で、このポイントは「LINE」に並ぶ。とりあえず使って見ようと思ったのだけど、周りでほとんど使っている人がいない。連絡先を同期させてみても、3人しかメンバーが出てこない。そのうち1人は自宅に置いてある自分の別のサムスン製端末だから実質2人。友達がいないのは嘘じゃないがそれでも2人ってことはなく、なんだか無駄に悲しくさせられた気分だ。

 ひょっとして、国内ではあまり使われていないのかもしれない。使う機会もなさそうなのでアンインストールしようと思ったが、これが消せない。どうやら消せないアプリのようだ。Google Playのユーザーレビュー枠をチェックしてみると、アンインストールさせて欲しいとせつに願うユーザーが後をたたない。システムに影響を与えるようなアプリなら消せないのも仕方ないが、チャットのアプリが消せないのは、どうにも解せない。

 で、やっぱり「LINE」だぜ、と思いなおして今に至る。若者向けに「LINE」の安全安心ガイドなるものが発表され、つまるところ「知らない人は危険だよ」という、昔から子供に言われてきたことが案内されている。だが、世はソーシャルサービス全盛の時代、知らない人とは誰なんだ? 自分自身、Twitterでやりとりしている人とほとんど会ったことがないが、知らない人ではない。

 アラフォーの自分の世代は「会う」が実社会で対面したことを意味する割合が大きいが、デジタルネイティブな世代にとって、ネット社会は我々よりも実社会に近い感覚のはずだ。そもそもそんなに危険なアプリなら、未成年向けの「LINE Jr」アプリでも出してくれればいいのに。