みんなのケータイ

 筆者は普段香港に居住しており、海外に出かけた際は複数の端末を持ち出しそのうちの1台に現地のプリペイドSIMを入れてデータ通信料金を安上がりにあげるようにしている。渡航先によっては1度購入したプリペイドSIMの有効期限が切れないように維持することで、空港に降り立ってから即通信ができる状態にもしている。一方、日本に行く際はドコモのWi-Fiルーターを契約しているので通信回線の入手を考えることは無かった。だが、今月の日本渡航時はそのWi-Fiルーターを年末の引越時にどこかにしまい込んでしまい、自宅内で見つけ出すことができなかった。次回の日本渡航時はSIM再発行と中古でルーターを買う必要があるかもしれない。

 さて、日本では外国人向けに日本通信がVISITOR SIMを2012年7月から3980円で発売しており、今回は緊急用としてそれを使えばなんとかなりそうである。受け取りは空港の郵便局が営業している時間なら郵便局でも受け取りできるし、もちろんホテルなどへの郵送も可能だ。筆者も当初このVISITOR SIMを購入しようと考えたが、今回の日本滞在中にデータ通信利用が必要なのは2日間。2日間で4000円はちょっともったいない。

 香港の各通信事業者の提供する海外1日データ定額ローミングも1日あたり2000円前後。普段Lumia 920に入れているSIMをそのまま日本で使えるのは便利だ。でも、この料金なら日本通信と変わらない。そこで今回は香港のプリペイドSIMの日本データ定額ローミングサービスを使ってみることにした。香港の事業者、中国移動香港が今年から始めたサービスは日本で1日98香港ドル、約1240円で利用できる。1~2日程度の利用ならこれが最も安上がりだろう。

 また、中国移動香港のプリペイドSIMは香港ではコンビニでも必ず販売されているので24時間いつでもどこでも買えるのも便利。日本でローミングできるプリペイドSIMにはHutchisonのものもあるが、そちらはコンビニによっては売り切れのこともある上に、料金は168香港ドル/日、約2100円だ。ただし、中国移動香港は日本ではソフトバンク回線、Hutchisonはドコモ回線でローミングするという違いがある。

中国移動香港のプリペイドSIMに300香港ドルを追加

 中国移動香港のプリペイドSIMは何タイプかあり販売価格も異なっている。今回は78香港ドルのものを買ったが、日本ローミング用にあらかじめいくらかの料金をチャージしておく必要がある。今回は300香港ドルをチャージしたが、これはチャージボーナスがお徳だからだ。中国移動香港のプリペイドSIMは300香港ドルを追加すると10%プラス10香港ドル、すなわち100香港ドルがおまけされ合計400香港ドルも追加されるのである。なお通常のミニSIMサイズなのでLumia 920で使うときはSIMカッターでマイクロサイズに切断する必要があった。あとは香港内でSIMを入れてからどこかに発信して開通、「*106*01#」に発信してデータ通信の利用開始登録を行う。APNは「peoples.net」だ。

 日本での使い方は、使う日に「*103*622*04#」に発信、その時点で98香港ドルが残高からマイナスされ、香港時間の当日23:59までデータ定額利用が可能となる。なお、筆者は当初使い方を間違え、香港出発時にこの番号に発信してしまったためその場で残高が引かれ、日本到着が夜21時というのにその日のデータ定額を申請してしまった。せっかく300香港ドルチャージしてボーナスでもらえた100香港ドルがこれでパーになってしまったのは大失敗だ。

日本ではNokiaマップ以外のサービスを使う必要がある

 まぁ、多少損してしまったものの、これで日本滞在中も香港にいるとき同様データ定額で思う存分Lumia 920を使うことができた。一点だけ残念なのはNokiaマップのデータが日本はスカスカなので、Google Mapsを利用できる「gMaps」やゼンリンの「いつもNAVI」などを使う必要があることだ。プリペイドSIMによるローミングは残高が無くなれば使えなくなるので使いすぎる心配や誤課金の恐れが無いのが安心なのだ。滞在期間が長い場合は日本通信のSIMがお徳だろうが、急な日本行きが決まったときなどは香港でいつでも手軽に買える中国移動香港のプリペイドSIMも便利なのである。