みんなのケータイ

ELUGAと同じパナソニックのモバイルバッテリー。ここしばらくは使っていない

 モバイルバッテリーに出動を願う機会がめっきり減ってしまっている。機種変更してからほぼ2カ月たつが、まだ一度もELUGA X P-02Eには使っていない。スマートフォンより重い約220gのバッテリーが、すっかりカバンの肥やしである。そろそろ自宅に置きっぱなしにしてもいいかもしれない……。

 実際にどれくらいバッテリーがもつのかというと、いつも通りの平日の場合、往復1時間半程度の通勤電車内でニュースなどを休みなく読み、オフィスでは時々電話をかけたりたまにアプリを使う、といった感じの使用頻度だと(漠然としているが)、だいたい30時間くらい、つまり丸1日以上は充電せずに使える。しかも、ありがたいことにELUGA Xはワイヤレス充電対応。同梱の充電器に加えて、以前のARROWS X F-10DのQi対応充電器も使い回せる。自宅とオフィスに1台ずつ置いて、常にワイヤレス充電できるので、今やMicro USBのカバーを開けることもなくなってしまった。

ある1日のバッテリー残量の推移。夕方16時頃に充電完了後、翌日の夜21時頃まで使えた
右のF-10Dのものに比べ、ELUGA同梱の充電器はコンパクトかつスリムに
スタンドに立てかけて使用。充電するときは端末の上側を左に向けて横置きする
スタンドの背面側にはNOTTVの受信感度をアップさせる「モバキャス外部ロッドアンテナ」を収納可能
F-10Dの充電器を使う場合は、端末を置く場所がけっこうシビア。写真の位置でないと充電してくれない
Micro USBポートはすっかり目にすることが少なくなった

 終日バッテリー残量を気にせずに使えるのは、2320mAhというELUGA Xの大容量バッテリーが効いているのもあるだろうけれど、ELUGAシリーズに採用されている「エコナビ」機能の恩恵も見逃せないところ。他社製端末でもバッテリー消費を抑えるためさまざまに工夫が凝らされた仕組みを用意しているが、ELUGA Xの「エコナビ」は、見た目や使い勝手の良さ、設定項目の豊富さが魅力だと思う。

ホーム画面にあるウィジェットから「エコナビ」画面へ

 ホーム画面に配置されたウィジェットから「エコナビ」を起動すると、エコナビモードのオン・オフ切り替えや、エコ設定のレベルをどれくらいにするか、といった操作が簡単に行える。エコ設定のレベルを変えることで、機能制限の内容や程度を一括切り替えしてバッテリーの消費量を抑えることできるというわけだ。また、端末の予測稼働時間がわかるほか、バッテリー残量などの推移がグラフ表示され、何日の何時にバッテリー切れになりそうかが視覚的に把握しやすい。このへんは他の端末でも実現しているよくある機能だが、「エコナビ」ではさらに細かい機能制限を行えるのだ。

 「エコナビ」では、あらかじめ用意された3段階のエコ設定以外にも、制限内容を細かくカスタマイズできるユーザー設定を1種類持つことができる。ディスプレイの明るさや画面消灯までの時間、CPUの動作周波数といったような設定項目の他に、GPSやWi-Fi、Googleサービスの自動同期処理を個別にオン・オフする時間帯設定なんかもある。曜日ごとにオン・オフするこれらの時間帯を変えられるのもうれしい。

3段階+ユーザー設定の4つから選んで機能制限を一括切り替え
機能をオフにする時間帯を曜日ごとに変えることも可能
“オートオフ”は、アプリの連続使用時間が指定した時間を経過した場合に、そのアプリを終了する

 夜寝ている間は機能をオンにしておく必要はないし、人によっては平日の昼間は一切端末を使わないこともある。逆に休日の方が使っている時間がない、というような人もいるかもしれない。毎日必ず同じ時間帯に出勤するなら、その時間帯だけWi-Fiをオフにする、という設定も効果がありそうだ。

 さらに面白いのが“オートオフ”と“アプリ動作制限”の2つ。前者の“オートオフ”は、使用しているアプリの連続使用時間が指定時間を超えると、自動でアプリを終了するというもの。知らず知らずのうちに動作してバッテリーを消費し続けているようなアプリがあったとしても、それを未然に防ぐことができる。インストール済みのアプリから制限したいものを自由に指定できるので、常駐しがちなアプリはひと通りチェックしておくとよいだろう。

 後者の“アプリ動作制限”は、端末のスリープ中に動作するアプリの挙動を抑制できる。端末をスリープ状態にしているはずなのに、いつの間にかバッテリーをかなり消費してしまっている、というような事態を防げるものだ。バックグラウンドで頻繁に通信したり、何らかの処理を実行しそうなアプリは、事前に指定しておきたい。

端末のスリープ中にむやみにアプリが動かないようにする“アプリ動作制限”
制限を加えたいアプリを1つずつ指定できる
「メモリリフレッシュ」で1週間ごとに再起動すれば、端末が不安定になることをある程度防げそう

 最後にもう1つ、ELUGA Xを快適に使い続けるために設定しておきたいのが、「メモリリフレッシュ」だ。「エコナビ」とは別の機能になるが、端末設定画面の「メモリリフレッシュ」で、毎週1回、指定したタイミングで端末を再起動するよう設定できる。作成中のデータがある場合は消去されることもあるので、自分のスマートフォンの使い方に合っているかどうかを設定前に考慮しておきたいが、さまざまなアプリをインストールしていくうちにどうしても端末の動作は不安定になりがち。使用中に突然端末が再起動してしまうときほど、気持ちが萎える瞬間はない。今のところELUGA Xの使用中に勝手に再起動するような場面には出くわしていないが、少しでも不安定になる要素を減らしたいなら設定しておこう。

 ということで、けっこう役に立ちそうな「エコナビ」や「メモリリフレッシュ」の機能だが、ちょっと残念なのは、これらの詳細がわかる資料がほとんどないところ。特に「エコナビ」については、ドコモのWebサイトからダウンロードできる「スタートアップガイド」と、端末内のオンラインマニュアルに、わずか半ページから1ページほどで紹介されているのが見つかる程度だ。

 たしかに設定方法に難しいところやわかりにくいところはそれほどないとはいえ、設定項目それぞれの意味や効果など、丁寧に教えてくれるヘルプコンテンツなんかがあったほうが親切だろうなとは思う。スマートフォンを買ったばかりのユーザーがトライ&エラーで設定していくのはさすがに厳しいだろう。せっかく使い勝手のいいツールなのだから、もっとたくさんのユーザーに使いこなしてもらえるきっかけが用意されていれば、と感じた。