みんなのケータイ

 ドコモのツートップが注目を集める中、“auのツートップ”を購入した。auは今夏4モデルをリリースするが、すでに発売されているのは「Xperia UL SOL22」と「HTC J HTL22」の2機種のみ。暫定的だが、この2機種をツートップと称しても差し支えないだろう。

 このうち、Xperia ULは仕事用として使っていたXperia VL SOL21を機種変更した。日常的に持ち歩くのではなく、auのサービスなどについて記事を書くときの検証用として、事務所でスタッフと共有する予定だ。HTC J Oneは、プライベートで使い倒す端末として、新規契約で購入した。仕事柄、個人名義で10回線ほど契約しており、これ以上回線を増やしたくなかったのだが、HTC J Oneは、回線を追加してでも欲しかったというのが本音だ。

 我々ライターは、発売前に開発途上の端末に触れる機会に恵まれる。スマートフォンは、実際に発売される商用モデルをじっくり使わないと真価はわからない。なので、事前の取材では、キャリアやメーカーの方の説明に耳を傾けつつ、冷静に機能をチェックするように心がけている。しかし、HTC J Oneは、端末を見た瞬間に“カッコいい!”と思い、手にしてすぐに“欲しい!”という衝動に駆られた。“一目惚れ”といっていいだろう。たしか、前モデルHTC J Butterflyのキャッチコピーは「ひとめ惚れの予感です。」だったと記憶している。そのButterflyには心を動かされなかった筆者だが、Oneには瞬殺されたという感じだ。

画面サイズは4.7インチ。大きすぎず、ちょうど持ちやすいという印象。フルHDなので、画面はキレイで文字も見やすい
背面はラウンドフォルム。このアルミの質感に惚れてしまった

 ただし、見た目が気に入って衝動買いした物は、使ってから弱点に気づくということもままある。まだ使い始めて5日目なので、いろいろな機能を試すだけで楽しくて、友だちに自慢して悦に入っている状態なのだが、そのうち“なんだかなぁ~”という不満も芽生えてくるかもしれない。そうしたことも本音で、ここで報告していきたいと思う。

 ちなみに、HTC J Oneのキャッチコピーは「こんなの、はじめて。」。初めて耳にしたときは、なんとも気恥ずかしい文言のように感じられたのだが、実際に使ってみると、たしかに初めてかも……と思える部分は少なくない。フルメタルボディの触感、大音量で聴けるフロントスピーカー、そしてワンシャッターで静止画と動画を撮影できる「HTC Zoe」など。今回は、今のところ、最も気に入っている「デュアルフロントスピーカー」について書かせていただきたい。

 スマートフォンの内蔵スピーカーは、本体の背面に配置されていることが多い。筆者は、スマートフォンで「YouTube」などの動画を見ることが多いのだが、イヤホンを着けずに内蔵スピーカーで聴く場合、音が自分側に響かないことにはかねがね不満を感じていた。しかも、内蔵スピーカーの音質には配慮されていない端末が多かったように思う。

 HTC J Oneはフロント面に2つのスピーカーが搭載され、ステレオサウンドで聴けるようになっている。「Beats Audio」と連動するためか音質も満足できるレベルで、ボリュームもかなり大きくできる。スマートフォンと連携して使える小型スピーカーなども多数発売されているが、HTC J Oneは、そのまま部屋でBGMを流したりするときに使える印象だ。音楽を聴いたり、YouTubeを見たりするときはもちろん、「radiko.jp」などでネットラジオを聴くときにも重宝している。

端末そのものに自立機能はないので、スタンド機能を備えた純正カバー(3675円)を購入した。音楽再生時はビジュアライザーも表示できる
Beats Audioはオンにしておくだけで、音を聴くアプリで有効になる。適用中はステータスバーにアイコンが表示される
音楽再生アプリのメニュー。iPhoneやXperiaに比べるとシンプル
楽曲検索アプリ「SoundHound」がプリインされていて、再生中の楽曲の歌詞を検索したりできる

 ちなみに音楽は、主にMacの「iTunes」で管理している楽曲を移して聴いている。以前は「iTunes Store」で購入した楽曲はiTunesやiOSデバイスでしか再生できないものが多かったが、現在は、全曲がDRMフリーの「iTunes Plus」に対応している。iPhoneやiPadで聴いている曲を、そのままAndroidでも聴くことができ、便利になったなぁと思う。

こんな感じで楽しんでおります

 余談だが、HTC J Oneに付属しているイヤフォンは、さほど音質は良くない。音質にこだわる人はBeats Audio対応のイヤフォンを買ったほうがいいだろう。筆者は、iPhone 5に付属している「EarPods」を使っているが、付属のイヤフォンで聴くよりも音に迫力が感じられ、これで十分に満足している。

 ソニーの定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」も利用している。NTTドコモのXperia Z SO-02Eの購入を機に加入したのだが、HTC J Oneは音楽を聴くのに適した仕様なので、より利用頻度が増えるかもしれない。

 つまり、HTC J Oneにアップル製のイヤフォンを挿して、ソニーの音楽サービスを聴く、というコラボレーションを楽しんでいる。ちょっと前までは、利用したいサービスによって選べる機種に制約が生じるという状況があったと記憶しているが、スマートフォンは、徐々に「好きな端末で、好きなサービスを」という環境が整ってきたように感じる。ありがたいことです。