みんなのケータイ

 Lumia 920はNFC機能を内蔵している。最近のWindows Phoneはミッドレンジクラス以上のモデルはNFC搭載が標準となっており、お互いの機種を重ねて接触させることで画像を転送できるなど、Androidスマートフォンと同様に便利な使い道も提供されている。実際の転送にはBluetoothを使うものの、いちいちペアリングを行わなくてよいため使い方は簡単だ。

Lumia 920とAndroidとの間でNFCを使った画像送信は不可

 ところがWindows Phone搭載のNFC機能も実用上はまだ使い道があまり無い。特に不便なのはAndroidとの互換がほとんどないこと。AndroidスマートフォンはAndroid Beam機能により画像やコンタクトのNFCによる転送が可能だが、Windows Phoneとの間では画像の送受信が出来ない。異なるプラットフォームであることから仕方ないかもしれないが、同じ技術を利用しているにも関わらず相互利用ができないのは不便極まりない。

 現時点で両者の間でNFC転送できるのがWebブラウザのURL。ブラウザの共有は開いているページをその場にいる相手に見せたいときに意外と有用である。Windows Phone側からはブラウザを開き、メニューからページを共有→「タップ+送信」を選択し、Android端末と本体を重ねればAndroid側でブラウザが開く。またAndroid側からは、Windows Phoneと本体を重ねればブラウザの画面に「タップしてビーム」の表示が現れるのでタップし、Windows Phone側でコンテンツを受け取れば同様にブラウザが開き同じページが表示される。

NFCで共有できるのはブラウザのURLやコンタクト情報に限られる

 この機能を使えば、たとえばLumia 920で写真共有サイトのページを開き、そのページをAndroid側に送信すれば同じ写真をブラウザで表示し、そのままダウンロードすることも可能になる。とはいえそんな回りくどいことをするくらいならLumia 920側から直接メールなどで写真を送信してしまったほうが早いだろう。

 また、コンタクト情報はWindows PhoneからAndroidへの片方向送信が可能だ。しかし、Peoplesハブに登録されているコンタクトのうち、Facebookなどから自動的に登録されただけのコンタクト情報は送信できない。ソーシャルサービスの普及で遠く離れていても写真やビデオを手軽に共有できるようになったが、カフェなどでリアルに友人と会っているときなど、その場で端末同士を重ねるだけで情報交換できればより便利なはず。せっかく搭載しているNFC機能の有効利用のためにも、今後の改善を望みたいものだ。