みんなのケータイ

時々気づく新しい発見が楽しい「シンプルスマホ 204SH」

 「シンプルスマホ 204SH」を2カ月ちょっと使ってきて、なるほど、シニア向けではあるけれど子供用にもよさそうだし、もしかするとビジネス向けにもいいかもしれない、と思い始めた昨今。たしかに通常のスマートフォンとは勝手が違うところもあるんだけれど、時々、「あっ、こんな使い方もできるのね」なんて新しい発見があるのがまたうれしかったりする。今回はいくつか見つけたそんなポイントをご紹介したい。

「読取カメラ」では5種類のリーダー機能が用意されている

 まず1つめは「読取カメラ」というアプリ。他のシャープ製端末にもプリインストールされているこのアプリが、シンプルスマホでも使える。バーコード・QRコードの読み取り機能に加え、名刺や雑誌に掲載されているお店情報などをテキスト変換するOCRスキャナー風の機能などを1本のアプリにまとめたものだ。文字を高い精度で認識し、アドレス帳にサクッと情報登録したりできる。

 さらにこの「読取カメラ」では、他のシャープ製スマートフォンでは搭載していないこともある「ラクラク瞬漢/瞬英ルーペ」機能も使える。カメラでズームアップした日本語や英単語の意味を即表示してくれるのは、海外旅行先で細かい文字の英文を読まなければいけない時にも便利そうだ。

名刺を読み取ると……
こんな風にかなりの精度でテキスト変換
普通の文章を1行ずつ読み取るのもOK
単語を瞬時に訳してくれる「ラクラク瞬漢/瞬英ルーペ」機能もある

 2つめは赤外線送受信機能が充実していること。たいていは連絡先やアドレス帳、画像などをやり取りする際に使われる赤外線通信だが、シンプルスマホをはじめソフトバンクのシャープ製端末は、ブックマークの送受信まで可能になっている。手元で試した限りでは、ソフトバンクのスマートフォン同士か、フィーチャーフォンとやり取りすることができ、たとえばフィーチャーフォンからシンプルスマホに機種変更するような時にも活躍してくれる。

 3つめは、同じ赤外線通信でも、IrSimpleとIrSS(IrSimpleShot)という高速通信可能な規格も合わせて採用していること。スマートフォンでは今のところシャープ製端末でのみ利用できる状況で、2005年に国際標準として採用されたわりに他の機種へ広がらないのがもどかしい。しかし、一般的なIrDAよりもはるかに高速な通信により、対応機種同士なら大きな画像でも瞬時に送受信できるスグレモノだ。

充実の赤外線送受信機能
Webブラウザーのブックマーク一覧からサブメニューを開き、“ページを送る”を選択すると……
通常の赤外線送信やIrSS送信を選ぶことができる
あとはいつも通り相手の端末と赤外線ポートを向かい合わせるだけ
1日の歩数、歩行距離、運動量や消費カロリーまでわかる

 次の4つめは歩数計の機能。最近は歩数計機能を搭載しているスマートフォンが増えてきたが、シンプルスマホでも同じように使えるのはやっぱりありがたい。「歩数計」アプリでは、時間別のほか、1日・週間・月間の集計値をグラフィカルに表示し、消費カロリーはもちろん運動量を表すEx値も算出してくれて、日々の運動状況を把握できる。1日の歩数はロック画面でもチェックでき、画面デザインを含め、一般のフィットネスアプリにはない端末との一体感が気持ちよく使えるポイントとなっている。

時間別のほか、日別・週別の集計値をグラフですっきり表示。月別はカレンダー形式になっている
その日の歩数はロック画面でもすぐにチェック可能

 そのロック画面で静止画の壁紙(ウェルカムシート)をフリック操作で次々に切り替えられるのも、細かいところだが気が利いている。標準で3枚のハイクオリティな画像が用意され、最大5枚までストック可能。一般のアプリが使えないシンプルスマホはオンラインストレージなどと連携しにくく、好きな画像を設定しづらいのが難点ではあるものの、端末のカメラで撮影した写真やメールで送ってもらった画像、ネットからダウンロードした画像などを設定して、気分に合わせていつでも切り替えられるようにしておくとよさそうだ。静止画の代わりにライブ壁紙も使え、スマートフォンならではの動きのある待受画面を体験できるのもいい。

ロック画面上部の静止画壁紙はフリックで次々に切り替えられる
5枚の静止画像をあらかじめ設定しておける
ホーム画面では使えないが、ロック画面でライブ壁紙を表示可能だ
PCサイトのように文字がつぶれて表示されるケースでは、拡大しても見にくいまま

 最後に1つだけ、もうちょっと便利になればなあと思ったのが、Webブラウザーの拡大鏡機能。文字の小さいWebサイトでも読みやすくなるように、ルーペ状のウィンドウで部分的に拡大表示できる機能なのだが、シンプルスマホはディスプレイ解像度が低め(480×800ドット)ということもあってか、PCサイトのように極端に小さい文字だと拡大鏡を使っても読みにくい場合がある。画面で見えているものをそのまま引き伸ばす仕組みなので仕方ないとはいえ、フォントを拡大する時はスケーリングして表示されれば、さらに実用性が高まったのに……と思わないこともない。

 ところで、以上のうち「読取カメラ」とブックマークの赤外線送受信については、実はフィーチャーフォンに搭載されていた機能でもある(もちろん歩数計もあったけれど)。これらの古くて新しい機能を、最新スマートフォンやシニア向けのシンプルスマホでも引き続きサポートし続けているのは、フィーチャーフォンからの乗り換えユーザーも大切にしたいというシャープの気持ちの表れ、ではないだろうか。ずいぶんと細かい部分まで配慮が行き届いた端末だなあと改めて感じた次第だ。