みんなのケータイ

 例年になく猛暑だった今年だが、朝夕は涼しいと感じる日もあるなど、ようやく秋に向かいつつある。今年の夏休みには人生初となる石垣島に出かけた。滞在中は晴天とはいかず、曇りの日が続いたが、ドライブや離島巡りなど、一通りの石垣島観光ができた。そんななか、特に楽しかったのが、スキューバダイビング。マンタや色とりどりの魚、珊瑚礁など本当に美しい海の世界を見ることができた。

 今回、夏の思い出を残しておこうと投入したのが、「出川カメラ」という異名を持つ「GoPro」だ。GoProは専用ケースに入れることで、水中や雪上などでも撮影ができるデジカメだ。サーフボードやスノボーに装着するだけでなく、ヘルメットにつければカートで走行したときのオンボードカメラとして利用できる。身体やボード、ヘルメットなどに装着できる別売りパーツが充実しており、どんなところにでも取り付けられるのが魅力。アウトドアのスポーツシーンを迫力ある映像や静止画が撮影できるとあって、人気があるのだ。

 石垣島でダイビングをする予定だったので、GoProを購入し、頭に装着できる別売りパーツも購入し、準備万端で出かけた。GoPro本体には電源ボタンとシャッターボタンなどしかなく、モニターなども内蔵されていない。かなりシンプルなデジカメなのだが、無線LANに対応しており、スマホのアプリと連携するといったことが可能だ。アプリであれば、カメラに写っている様子を遠隔でモニターできたり、そこから撮影などの操作が行えるだけでなく、設定の変更もできる。また、撮った画像を簡単に吸い出すといったことも可能だ。

 実際に石垣島で潜って撮影してみたが、想像以上に綺麗に撮影できた。当然、海の中ではスマホは使えず、モニターのないGoProで、勘を頼りに撮影していくのだが、それでも満足のいく撮影ができた。撮影したあとは、microSDを取り出してパソコンにコピーしてもいいし、無線LAN経由で、スマホに直接、コピーするといったこともできる。

 スマホのカメラも大幅に性能が向上し、コンパクトカメラが不要と思えるようになってきた。しかし、一方で、スマホのカメラではカバーしきれない領域もあるわけで、まさにGoProは「撮影専業」、それ以外の設定やデータの管理、遠隔操作などはスマホのアプリが担当するという役割分担ができている。デジカメ市場が厳しいと言われている中、GoProはアウトドアニーズを取り込み、成功を収めた。GoProの成功例を見て、これから「カメラ」と「スマホ」という役割分担を訴求するデジカメメーカーが続々と出てくるかも知れない。