みんなのケータイ

 各社の発表会も終わり、そろそろ秋冬商戦へ向けた新モデルの販売が開始された。キャリアによって、いろいろスタンスは異なるけど、各社とも完成度の高いモデルがズラリとラインアップされている。

フルHD対応5.2インチIPS液晶ディスプレイを搭載。非常に美しく、視認性も良い。大画面ながら、超狭額縁設計により、ボディ幅を71mmに抑えている。メニューキーの右隣のキーで通知パネルを表示可能

 そんな各社の秋冬商戦向けのモデルの先陣を切って、NTTドコモからLGエレクトロニクス製端末「G2 L-01F」が発売された。LGエレクトロニクスと言えば、これまで「Optimus」というネーミングでラインアップを展開してきたけど、ハイエンドのフラッグシップモデルとして「G」シリーズを展開することを発表し、その最新モデルが今回の「G2」ということになる。

 このG2は今年8月に米国・ニューヨークで開催されたグローバル向けのプレスイベントで発表され、そのモデルにワンセグやおサイフケータイなどの日本仕様を搭載したモデルがNTTドコモから発売された「G2 L-01F」だ。実は、ニューヨークのイベントにも出席したんだけど、プレゼンテーションの内容も非常にわかりやすく、タッチ&トライコーナーでは各国から集まったメディアの注目度が高かったのをよく覚えている。

 そんなG2がいよいよ日本で発売され、ボク自身も早速、購入。実機を手にして、最初に実感するのが側面などのボタン類をなくし、ボディがスリムに仕上げられていること。スリムなボディのスマートフォンは増えてきているけど、G2は側面の垂直部分が少なく、ラウンドした背面のカーブも非常に緩やかなため、独特のフィット感を持つ不思議な薄さだ。

 そして、G2の外見でもっとも印象的なのが背面中央に備えられた「Refined Rear Key」。電源ボタンと音量キーを組み合わせたもので、背面中央に備えられているため、右手で持ったときも左手で持ったときもちょうど指先がフィットするというレイアウト。このキー、はじめて触ったときから妙にフィットするというか、指先がキーの位置を覚えてしまい、他の機種を触ったときにも思わず指先がキーを探してしまうくらい、クセになるフィット感なのだ。これは自分が購入する前、「できるポケット+ G2 L-01F」執筆のために、デモ機を触っていたときから感じていたことだ。

ボディは側面の垂直部分が非常に少なく、背面パネルのカーブも緩やかで、独特のフィット感を持つ。ボディの右上の角(写真内左側)には伸縮式ワンセグアンテナが格納されている。本体左側面(写真奥側)にはドコモUIMカードのトレイを備える
背面中央に備えられた「Refined Rear Key」は中央に電源ボタン、上下に音量ボタンを組み合わせたもの。電源ボタンの短押しで、画面表示のON/OFFが切り替え可能。上方向長押しで「Qメモ」、下方向長押しでカメラを起動可能。カメラ起動時はシャッターにもなる
G2 L-01Fを右手で持った状態。人さし指の指先は、ちょうど本体中央のボタンに当たる。わずかに盛り上がっているので、レンズまで指が伸びることはない
G2 L-01Fを左手で持った状態。人さし指の指先の当たり具合は右手で持ったときと同じ。スリムながら、微妙な曲線のボディのホールド感もまったく変わらない

 クセになると言えば、もう一つ印象に残っているのがプリセットされているウィーン少年合唱団が歌う「Life's Good」という楽曲。その曲名通り、言わば、LGエレクトロニクスのテーマ曲みたいなものなんだけど、ニューヨークのプレスイベントでは独唱を聞いたのに加え、タッチ&トライの会場でもずーっと音楽が流れていて、妙に耳に残っている。ちなみに、G2は24ビット/192kHzのハイレゾ音源に対応していて、プリセットされている「Life's Good」も当然、ハイレゾ音源で記録されたもの。このほかにもバッハの「G線上のアリア」など、4曲が収録されている。

プリセットされているウィーン少年合唱団による「Life's Good」。とにかく、一度、聞いてしまうと、不思議と耳に残る。ハイレゾ音源が保存されている
本体前面のディスプレイ最下段に表示されるキー(フロントタッチボタン)はカスタマイズが可能。他機種から移行したユーザーのニーズにも応えられる
辞書アプリの「Qトランスレーター」は、カメラで文字を読み取って、翻訳できる。44カ国語に対応。画面はドイツ語のパンフレットに書かれた文字を翻訳。海外に出かけることが多い人には心強い機能
利用できる機能を制限できるゲストモード。子どもに動画などを見せるときには便利な機能。画面ロック解除時のパターンで、動作モードを切り替えられる

 実際の使用感としては、ディスプレイのクオリティは高いし、パフォーマンスも十分。光学手ブレ補正対応の1320万画素カメラは、デジタルカメラのようなマルチポイントAFに対応しているし、2900mAhの大容量バッテリーで、電池の持ちも今のところ、大丈夫。気になるところとしては、防水に対応していないこと、microSDメモリーカードが外付けタイプであることかな。

 Androidプラットフォームを採用したスマートフォンは、プラットフォームそのものが安定し、ハードウェアのスペックも充実してきたことで、誰にでも買いやすい時代になってきた。その一方で、最近は個性を打ち出すため、いろんな飛び道具を使う持つ機種が増えてきたけど、その点、G2は王道をしっかりと押えた「実力派」という印象。スペックを追求するだけでなく、堅実なスマートフォンを選びたいという人におすすめの一台だ。