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 12月2日より提供が開始された、ドコモの新しい海外パケット定額サービス「海外1Dayパケ」を滞在中のフィリピンで早速使ってみました。

海外1Dayアプリ画面。海外1Dayパケの適用可否/適用される通信料などが表示される

 海外1Dayパケは、利用開始手続きから24時間の間、最大で30MBまで海外でのデータ通信が定額で利用可能になるサービスで、利用時の通信料(定額料)は国ごとに980円/1280円/1580円の3つの料金のいずれかが適用されます。

 従来より提供されている海外ローミング時の通信料定額サービス「海外パケ・ホーダイ」(最大で2980円/日)と比べると、料金が最安値では約1/3とリーズナブルになっているほか、従来の海外パケ・ホーダイでは「日本時間」での1日を基準に通信料(定額料)が発生していましたが、海外1Dayパケでは、利用開始手続きから24時間、通信が定額で利用できるようになるため、日本時間を気にすることなく、海外の滞在先でデータ通信が利用できるようにサービスが改善されています。

 一方で、海外1Dayパケのデメリットとしては、利用開始前に事前申込が必要である点(海外から電話での申込も可能)や、24時間ごとの通信容量が30MBを超過した場合の通信速度が最大16kbpsとかなり厳しく制限される点に注意が必要ですが、日頃からあまり通信量が多い使い方をしていない場合は通信量については必要十分である、と考えることもできます。

 今回は実際に、海外1Dayパケの利用開始から24時間以内に30MBを超える通信を行い、通信速度が16kbpsに制限された状態で使用をしてみましたが、Twitterでのテキストだけのツイートも通信がタイムアウトになってしまうなど、実用には「かなり厳しい」と言わざるを得ない速度まで制限がされます。

 それでも、容量超過後も追加料金無しで通信を継続できることは、テキストのみのメッセージをやりとりする場合には役に立つことがありそうです。

各種ステータスはSMSによって通知される。利用開始時や通信量が10MB/20MB/30MBを超過したタイミングでSMSによる通知が行われる
各種ステータスはSMSによって通知される。現在の通信量は「海外1Day開始」アプリからの確認または、「*135*2#」宛にダイヤルすると送信されるSMSで確認が可能

 海外1Dayパケは、通信量が30MB/24時間に制限されていることや、音声通話が可能なプランで契約していない場合は申込ができないことなどから、主にスマートフォンで利用するためのサービスとして提供されています。

 普段国内で使っているスマートフォンを、海外では国際ローミングで使いたい方にとっては、従来の海外パケ・ホーダイよりも安く海外でのデータ通信サービスが利用できるサービスとなっている上に、利用開始から24時間が経過後には自動的に通信が切断されるため、データ通信を数日に1度利用する場合にも、意図せぬデータ通信の発生を防いだ上で、サービスを有効活用できます。

 その他の利用シーンとしては「申込から24時間」利用可能である点を活かして、「渡航先でプリペイドSIMを入手するまでの間に使う」というシーンが考えられます。

 海外でのデータ通信手段の確保は、スマートフォンなどのガジェットを愛用する旅行者にとっては欠かせないものですが、「現地でSIMカードを購入するまでの通信手段」として、従来の海外パケ・ホーダイと比べて定額料が安く、なおかつ日本時間を気にすることなく「利用開始から24時間」データ通信が定額で利用できるサービスは、「渡航先でプリペイドSIMを購入するまで」の通信手段としても最適と言えるでしょう。

 2010年夏以降に各キャリアから海外ローミング時のデータ通信定額サービスが提供開始されて以降、エリア拡大以外には大きな変化がありませんでしたが、ドコモの「海外1Dayパケ」は定額料金の値下げや、申込から24時間を単位をとした定額料金で利用が可能になるなど、利用者にとってより「使いやすい」サービスとなっていますので、スマートフォンを使って海外でもデータ通信を行いたい方や、現地でのプリペイドSIMを購入するまでの通信手段として、海外1Dayパケが活躍しそうです。