みんなのケータイ

 ケータイを持ち始めて以来、自宅で固定電話から通話するという機会が本当に減った。何年も前から名刺には固定の電話番号を書くのをやめ、スマホの電話番号が唯一の連絡手段となった。本来ならば、固定電話の契約もやめてしまっても良かったのだが、時々、ファクスを送らなくてはいけなかったり、ラジオに電話出演するときなど、安定して通話する必要があるために、仕方なく契約を残していた。

 ただ、これまでは「仕方ない」と思っていたものの、KDDIが「auスマートバリュー」を始めたことで、「1回線、固定電話があっても、複数のスマホ契約が安くなってお得」と割り切って考えられるようになった。

 もうちょっと「固定回線を活用したいな」と思っていたところに、パナソニックがデジタルコードレス電話機「VE-GDW03DL」を発売してきた。「スマホを子機にできる」というフレーズに惹かれて、発売日に買ってしまった。

 VE-GDW03DLとスマホはWi-Fiで接続する。専用アプリ(iOSとAndroid)をスマホに入れると、スマホから自宅の固定回線の電話番号で発信・着信が行える。接続できるスマホは4台まで。単に電話ができるだけでなく、子機とスマートフォンで内線電話ができたり、ドアホンと連携させることも可能だ。

 実際に固定電話に着信があると、VE-GDW03DLの子機のほうが早く鳴り、スマホ側は一瞬、間があくのが気になるのだが、それでもいつでも手元にあることが多い、スマホで通話できるのは結構便利だ。

 自分はパナソニックのドアホンと連携させているので、ドアホンが鳴った際には、スマホでも知らせてくれるのが結構便利だと感じる。仕事部屋や寝室など、ドアホンの子機がない場所でも、来訪者がわかるので、すぐに対応できるのだ。

 これまでだと、コードレス電話機を購入する際は、部屋の数に応じて、子機を増やしたり、さらにドアホンも応対できる子機を1階と2階にそれぞれ設置したり、コードレス子機を購入したりと、家の中が子機まみれになっていた。しかし、VE-GDW03DLであれば、今使っているスマホをそのまま活用できるのがありがたい。

 手元にスマホがあると、ついついどこに電話するのにも携帯電話経由でかけてしまうため、通信コストが上がってしまっていたが、この環境を整備しておけば、スマホでも固定電話経由でかけられるので、通信費の節約にもつながる。自分は「だれとでも定額パス」も利用しているので、10分以内で終わりそうな通話はウィルコム、長電話になりそうなものは固定電話経由という使い分けをしている。

 スマホと固定回線を融合させる電話機として「VE-GDW03DL」は、今後、いろんな機能追加ができるような気がしている。ひょっとすると、このコンセプトの電話機は将来的には大化けするのではないだろうか。