みんなのケータイ

 2月上旬に取材で、ソチ五輪に行ってきた。海外取材で避けては通れないのが現地のSIMカード購入だ。渡航するにもビザが必要なロシア。果たしてSIMカードは簡単に買えるのだろうか?

 オリンピック開催地のソチでは、オリンピックスペシャルSIMカードをオリンピックパートナーでもある現地のMegafonが提供していた。2014ルーブル(約6000円)で1週間、使い放題。しかも、ソチの会場近辺ではLTEが使えた。パンフレットは英語バージョンもあり、購入にはパスポートの提示と宿泊先さえ伝えればOKだった。8日以上使うときは1カ月590ルーブルで10GBと使えるとあり、かなり良心的なSIMカードだ。

 ソチではとても便利であったが、モスクワに着いたら「圏外」になっていた。どうやら、本当に「オリンピックスペシャル」だったようで、ソチ周辺でしか使えない仕様になっていたようだ。

 ソチと日本は直行便がないため、モスクワ・シェレメチェヴォ空港で乗り継ぎとなる。帰りの乗り継ぎに半日ほどの時間があったため、シェレメチェヴォ空港からロシア市内に出て観光することにした。空港ゲートから市内に出る電車に乗る前での間、ロシアのキャリアショップが複数あって驚いた。電車に乗るまでの間に、手軽にSIMカードが買える環境が充実しているのだ。

 そこで、空港のロビーにショップがあった、一番最初に目に飛び込んできたMegafonショップでSIMカードを購入してみた。

 とりあえず半日も滞在しないので、安くて手軽なSIMカードをお願いしたら、250ルーブル(約750円)で発行してくれた。いまいち具体的なプランがわからなかったが、スマホにSIMカードを挿入したら、すぐに通信も可能であったし、特に問題ないと思い、そのまま市内で出てしまった。赤の広場などで観光しても、スマホは3Gだが、快適に通信できた。

 観光も終え、「結構、お得なSIMカードじゃん」と満足して空港に戻っている途中の電車のなかで、パッタリと使えなくなってしまった。あとで調べてみると、このSIMカードは「Megafon Online」というもので、1MBで1.9ルーブル(約6円)という従量制だったようだ。帰りにもらってきたパンフレットを見ると、7ルーブルで70MB、390ルーブルで3GBというオプションもあるようだ。長期滞在の場合はこちらを選択すると良いだろう。

 もちろん、Beelineといった他社でも4GのSIMカードが提供されている。また、空港と駅の間には「SIM TRAVEL」という世界中で安価に使えるSIMカードの自動販売機も置いてあった(1500ルーブルで通常サイズ、Micro、Nanoも販売)。

 意外と言っては何だが、ロシアはSIMカードがとても買いやすい、海外からの渡航者にはとても優しい国だった。