みんなのケータイ

 かつてのフィーチャーフォンのハイエンドモデルのように、メーカー発の工夫が満載される昨今のスマートフォンでは、気に入った機能を見つけると、次もこの機能が付いている端末がいい! と思うことが多々ある。「isai」を使っていてもう手放せなくなっているのが、画面をダブルタップして画面スリープを解除できる機能だ。

 同様の機能はほかのメーカーのスマートフォンにもあるので、裏側でどのような仕組み、あるいは差別化が図られているのかは分からないが、電源ボタンを押して画面スリープを解除する一般的なスタイルにはもう戻りたくないと感じる。一日のうちでも最も使う操作だけに効果も大きい。「isai」ではタップが成功すると右上のランプが一瞬光って、操作が成功したことが視覚的にも分かるようになっている。待受画面の空いている場所をダブルタップすれば再び画面をスリープさせることができる。

 電車でつり革につかまっている時など片手操作の場面では、側面の電源ボタンより画面をタップするほうがより自然に操作できるケースが多い。また、机の上に置いた状態で、何かを少し確認したいといった場面でも、画面をタップするだけで画面のスリープを解除でき、当初に想像していたよりはるかに楽だと感じている。側面の1カ所である電源ボタンに比べて、画面全体を使うのだから、楽で当たり前といえば当たり前なのだが、ほかのメーカーのタブレットを使うときもまず画面をタブルタップしてしまうなど、すでにこの機能のための動作が体に染み付いてしまっている。

 一方で、登場頻度や操作頻度がそれなりに多いにも関わらず、慣れない部分もある。

 筆者の持論として、「使いにくいUIとは、慣れてもなお、使いにくいと感じるUI」というものがある。筆者としては「慣れたら使いやすいUI」というのは「使いやすい」のうちに含めているのだ。その意味で、何度も引っかかりを覚えるのが写真を閲覧する「ギャラリー」などで登場する、画面下部のソフトキーの配置だ。

 通常は3つのボタンが配置されたものを使っており、メーカーにより配置は若干異なるものの、この3つボタンはAndroidで一般的なもの。しかし、「isai」の「カメラ」アプリや「ギャラリー」「連絡先」などではUIの「クリーンビュー」をオン・オフするための4つめのボタンが追加され、既存の3つボタンの配置場所もズレてしまうのだ。

ギャラリーのアルバム内を表示したところ。ギャラリーに入ると基本的にソフトキーは4つボタンになる
サムネイルをタップし画像を拡大した時だけ3つボタンに戻る。ここから戻るボタンを連打すると次の画面では4つボタンの一番右を押してしまう

 特に「ギャラリー」では、まず4つボタンで表示され、画像を拡大表示した時だけ3つボタンに戻るなどするため、3つボタンと4つボタンがコロコロと入れ替わる。右側に配置された戻るボタンをタタタッと連打したつもりが途中から4つめのボタンを連打したことになっている……という操作ミスが、かなりの頻度で発生する。この4つボタンは、筆者の使い方では「ギャラリー」と「カメラ」以外であまり遭遇しないため、どうしても慣れないでいる。4つボタンのアイデア自体はかまわないが、既存のボタンの場所をずらさないように工夫してほしいと感じている。

 アプリの一覧画面では、isai独自のフィーチャーとして、よく使うアプリのアイコンの輪郭が光る、というものがある。しかしこれも、確かによく使っているアプリがボワっと光るのだが、例えば「音声検索」などの使っていないアイコンも光るなど、機能としては少し頼りない印象がしている。バックグラウンドでの動作などが影響しているのかもしれないが、もう少しブラッシュアップを望みたい機能だ。

 筆者の環境では、準拠しなければいけないセキュリティポリシーの関係で、画面スリープの解除時にはPINコードを入力する設定になっている。スライドで解除やパターン入力解除では問題なかったのだが、設定でPINコード入力の解除方法を選択したら、ロック解除画面の背景に、縮小されたカメラUIのような謎の画像が表示されるようになった。この事象は購入直後から発生している。詳しく検証していないが、表示される頻度は体感でだいたい50%ぐらいだろうか。幸い、時計が表示されなくなるぐらいで実害は少ないのだが、入力する際に数字キーが見辛く、こちらもいつか直してほしいと願っている次第である。

正常なロック解除画面
わりと高い頻度で登場する謎の背景。カメラUIのベースになる画像のようだが……。このパターンでは時計も表示されない。