みんなのケータイ

 筆者が使っているNexus 5は、厳密に言えば「スマホ」とは言えない。装着しているSIMカードがデータ通信専用の格安SIMだからだ。「電話ができないスマホ」と言ったほうが正しいだろう。

 電話ができるiPhone 5sも持っているので、2台持ち歩いていれば不便はないのだが、常識的に考えるとスマホの2台持ちは非効率。いまやiPhoneでもAndroidでも、できることに大差はない。最近は、iPhoneよりも画面が大きいNexus 5が気に入っているので、鞄を持たずに外出する時などはNexus 5だけにしたいと思ったりする

「050 plus」の画面。スマホ標準の電話アプリと同じように使える

 。そこで、Nexus 5に“電話”を追加してみた。と言っても、電話対応のSIMに替えたわけではない。筆者は従来から「050 plus」というIP電話サービスを利用している。「050 plus」のアプリをNexus 5にインストールし、050の電話番号を追加したというわけだ。

 普段、仕事用として使っているiPhone 5sには「自動電話転送」を設定。iPhoneにかかってきた電話を050のIP電話番号に転送するようにした。これで今までどおり、かかってきた電話を受けることもできる。発信側には「050 plusへおつなぎします」というアナウンスが流れるので、IP電話に転送されることはわかるようだ。もちろん、iPhone(転送元)からNexus 5(転送先)への転送電話料はiPhoneに課金される。着信時には発信元の電話番号(連絡先に登録している場合は名前)が表示されるので、誰からの電話かもすぐわかる。使い勝手になんら不便はない。ただし、着信した電話番号に折り返し電話をする際は、当然のことながら050番号での発信となる。「050 plus」からの通話料は、携帯電話宛が16.8円/1分、固定電話宛が8.4円/3分。スマホの標準的な通話料金よりも安いことが利点だ。

iPhoneにかかってきた電話「050 plus」の番号に転送するように設定した

 筆者が使っているSIMは、NECビッグローブの「BIGLOBE LTE・3G」のエントリープラン(月額980円)。「050 plus」の月額基本料は315円なので、合計1295円で電話番号を持つスマホを使えることになる。IP電話なので通話品質は環境に左右されるが、LTEやWi-Fi環境で使えば、満足できる音質で通話できる。安いという前提で使っているので、むしろ、意外と使えるじゃん! 結構いい音じゃん! とも思えてくる。

 近いうちに「LINE電話」も始まるし、スマホでのIP電話利用は徐々に増えていくのではないかと思う。正直なところ、「LINE電話」が始まったら「050 plus」は解約しようかとも考えていた。毎月315円の基本料を払うのはもったいないかなぁと。だが、LINEの発表会で聞いたところ、「LINE電話」には050番号は付与されないらしい。“着信用の電話番号を持てる”という部分では、まだ「050 plus」にも優位性がある。

転送された電話の着信画面には、転送元ではなく発信元の電話番号が表示される
通話履歴の画面。履歴から通話料が低廉な050番号で折り返し電話ができる

 いま、筆者のスマホには「カカオトーク」も「SMARTalk」も入っていて、iPhoneでは「FaceTimeオーディオ」、Nexus 5では「ハングアウト」も使える。なんだかわけがわからない状況になっているのだが、スマホの音声通話が安くなるサービスが充実してきたことは素直に喜びたい。あれこれ試してみて「これぞ最安最強!」というものを見極めたいと思っている。