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 4月10日に発表されたドコモが新料金プランは、業界の内外で大きな話題となった。新プランの軸は、音声通話が完全定額となる「カケホーダイ」と、データ通信料を分け合える「パケあえる」の2つ。基本使用料はスマートフォンで2700円と、既存の料金プランより割高に見えるが、通話の時間に応じた料金がかからないのがメリットだ。パケあえるは、家族や複数端末でデータ通信量を分け合って使うプランになる。

 さまざまな記事で、このプランがお得かどうか検証されているように、発表の反響は大きかった。では、自分の場合はどうなるのか。ここではそんな超ミクロな視点から、ドコモの新プランを見ていきたい。まず、基本情報として提示しておきたいのが、ここ3カ月間の料金。2月、3月と、本稿を執筆した4月24日までの、筆者の料金を以下に掲載しておく。


2月3月4月(通話料は24日まで)
基本使用料(タイプXi にねん)743円743円743円
Xiカケ・ホーダイ定額料667円667円667円
通話料1680円4380円3920円
パケット定額料(Xiパケ・ホーダイ ライト)4700円4700円4700円
spモード利用料300円300円300円
moperaU利用料500円500円500円
ISPセット割-300円-300円-300円
留守番電話利用料300円300円300円
あんしんネットセキュリティ利用料200円200円200円
ユニバーサルサービス利用料3円3円3円
eビリング割引-20円-20円-20円
月々サポート-3500円-3500円-3500円
利用料金合計5275円7973円7513円

※表を簡略化するため、一時的かつ新旧どちらのプランでもかかる国際ローミング利用料などは除外、国内利用分のみで集計した。なお、端末代は購入時に一括で支払い済み

 この表を見ると分かるように、「Xperia Z1」は仕事のメイン端末として使っているため、通話料がそこそこかかっている。「Xiカケ・ホーダイ」も契約しており、ドコモ宛ての通話は無料になっているものの、それでも2月は1680円、3月は4380円、4月は3920円の通話料が発生している。カケホーダイにしてこれが0円になれば、3月と4月は十分元が取れる計算だ。

 2月に関しては「タイプXi にねん」の基本使用料743円に通話料の1680円を足しても2423円にしかならず、新プランのカケホーダイの基本使用料を下回っている。ただし、Xiカケ・ホーダイの料金667円を足すと通話に支払っているトータルの金額は3090円となり、新プランにした方がわずかに安くなることが分かる。

発売当初は重宝していた「だれとでも定額パス」だが、だんだんと固定電話のような使い方に……

 2月の通話料が比較的安いのには、カラクリがある。以前この連載で触れたように、筆者はXperia Z1と組み合わせて、ウィルコムの「だれとでも定額パス」を利用している。電話代が安いのはそのためというのが1つ。もう1つの理由が、2月はMobile World Congressで比較的長い間、日本を離れていたこと。2月は、3月や4月に比べて国内で電話をかける頻度がそもそも少なかったというわけだ。せっかくだれとでも定額が使えるなら、ウィルコム側ですべて発信すればいいという考え方もあるが、端末を複数持っていると、ついついだれとでも定額パスを持ち出すのを忘れてしまう。

 また、当たり前だが発信番号が普段の番号とは変わってしまうため、折り返しがあることが想定しやすい携帯電話への発信の場合、どうしてもメインの回線を使いがちになる。そんなこんなで、契約時から徐々に利用頻度が落ちてきていた。自分ではあまり意識していなかったが、2月、3月、4月と通話料金がどんどん上がっているのでデータは正直だ。

 というわけで、2月の料金をベースにすると大きな変化はないが、3月、4月であれば新プランの方が確実におトクになる。それぞれ、いくら通話料が節約できるのかは以下のとおりだ。サポートセンターなど、ある程度長電話になることが分かっていたときは固定電話を使っていたが、そういった通話もドコモに集約できる。これも、音声定額のメリットと言えるだろう。

【通話に関する料金】

2月3月4月(通話料は24日まで)
基本使用料(タイプXi にねん)743円743円743円
Xiカケ・ホーダイ定額料667円667円667円
通話料1680円4380円3920円
合計3090円5790円5330円
【カケホーダイだったと想定した場合】

2月3月4月(通話料は24日まで)
カケホーダイ2700円2700円2700円
新旧の差引390円3090円2630円

※通話に関しては、390円から3090円ほど安くなることが分かった

 パケット通信料についてはどうか。筆者はテザリングをauの「GALAXY Note 3」で行っているため、Xperia Z1では月に3GBもあれば十分。現在は「Xiパケ・ホーダイ ライト」を契約しているものの、1回も3GBを超過した経験はない。FacebookやTwitterなどのSNSや、Gmail、Googleカレンダーなど、テザリング以外の機能は比較的遠慮なく使っている方だが、家ではWi-Fiに接続していることもあり、それでも毎月ギリギリ3GBに収まる。

 そのため、新プランでは「データSパック」に1GBを追加するのがよさそうだ。この場合、料金はデータSパックの3500円に、1GB分のデータ追加で1000円がかかり、合計は4500円になる。Xiパケ・ホーダイ ライトが4700円のため、200円ほど節約できる。通話料が浮く分で5000円の「データMパック」にしてしまっても、いいかもしれない。

【旧プランのパケット代】

データ量料金
Xiパケ・ホーダイ ライト3GB4700円
【新プランのパケット代】

データ量料金
データSパック2GB3500円
データ量の追加1GB1000円
合計3GB4500円

※「Xiパケ・ホーダイ ライト」の3GBに合わせると、「データSパック」に1GBを追加する必要がある。この場合、合計金額は4500円

【新料金プラン適用時の毎月の料金】
プラン料金
カケホーダイ2700円
データSパック3500円
1GB追加オプション1000円
spモード利用料300円
mopera U利用料500円
ISPセット割-300円
留守番電話利用料300円
あんしんネットセキュリティ利用料200円
ユニバーサルサービス利用料3円
eビリング割引-20円
月々サポート-3500円
利用料金合計4683円

※国際ローミングなどを使わなければ、毎月4683円で変動がなく、最初に挙げた料金より大幅に安くなる

 実はもう1回線、「プラスXi割」で維持している回線があるが、こちらは国内では「Nexus 5」に挿しっぱなしにしていて、ほとんど使っておらず、かつ料金は月々サポートとほぼ相殺され、毎月741円しかかかっていない。この回線を新プランに移行すると次のようになる。まず、1700円の「データプラン」に500円の「シェアオプション」をつけると2200円になり、支払額は今よりも安くなる。さらにこの回線には月々サポートが毎月3533円発生しているため、毎月の料金を割引額が上回る計算となる。

【2回線目の新旧料金比較】

旧プラン新プラン
基本使用料5700円1700円
シェアオプション-500円
プラスXi割-1909円-
moperaU利用料500円500円
ユニバーサルサービス利用料3円3円
月々サポート-3533円-3533円
eビリング割引料-20円-20円
利用料合計741円-850円

※旧プランは「Xiデータプランフラットにねん」、新プランは「データプラン」で計算

 ドコモ広報部によると、このようなケースでは「親回線に残った割引が適用される」とのこと。つまり、自分の場合は1回線目としてXperia Z1で使っている回線の料金がさらに安くなる。このように計算してみると、ドコモの新プランを利用しない手はないことが分かった。予約開始の5月15日が今から楽しみだ。

【2回線合計の料金】
1回線目の料金2回線目の料金合計
4683円-850円3833円

※2回線分合計すると、料金さらに安くなることが判明。3カ月間のピーク時と比べると半額程度になる

 もちろん、これはあくまでも自分の使い方に限った話で、通話が少なかったり、単身で1回線しか持っていない場合などは、料金が上がってしまうこともある。現行の料金プランも維持できるため、事前にドコモのサイトでシミュレーションをしっかりしておきたい。