みんなのケータイ

無料で誰でも利用できる「Google Maps Engine」

 スマートフォンのマップアプリはきっとみなさん頻繁に使っていると思う。が、それに関連するサービスとして、「Google Maps Engine」なるものがあることをご存じだろうか。これは、簡単に言えば、より高度にGoogleマップを活用するためのサービスだ。

 通常のGoogleマップでも、お気に入りの場所をマークしておき、後から参照できるようになっていたりするが、Google Maps Engineではマークする以外に、そのポイントにコメントや画像を付加したり、マークの色・形を変えたり、ラインなどを描画したりして、それらをレイヤーでまとめて表示・非表示を切り替えられるようにもなっている。また、地図上に登録した情報を他のユーザーと共同で編集したり、情報共有することも可能だ。

 Google Maps Engineは、今のところPCのWebブラウザー上で使いやすいサービスになっているけれど、Androidアプリ版も実は2013年にリリースされている。ところが、基本的に閲覧のみで情報の編集ができないこともあり、このアプリだけでは使い道を見つけにくく、あまり大きな話題にはなっていないようだ。

PCのWebブラウザーで表示したGoogle Maps Engine
好みの場所にマークして、コメントや検索画像を付加できる

 いろいろあって、より多くの情報を扱える有料版のGoogle Maps Engine Proを筆者の会社で購入したので、個人的に何かいい活用方法はないかなーと考えてみた。PC上で情報を編集しなければならないのは仕方ないとして、外出中にARROWS NX F-01Fから参照した時に便利な使い道はないだろうか、と。

試しに作ってみた「お付き合いのある企業やイベント開催地の場所と、その行き方」マップ

 で、とりあえず試しに作ってみたのが、仕事上活用しやすそうな「お付き合いのある企業やイベント開催地の場所と、その行き方」マップ。お付き合いのある出版社やクライアント、よくイベントが開催されている施設などを登録し、さらにそれぞれの最寄り駅からの最短徒歩ルートもラインで描画した。

 何度か訪問している場所でも、しばらく間があくと、どの駅が最寄りだったのか、どういうルートで歩けばよかったのか、わからなくなってしまうことがある。電車を降りた後、その会社のWebサイトから住所を探してマップで検索する、みたいな面倒くさいパターンになることもわりと多い。が、今回作ったGoogle Maps Engineの情報があれば、PC上で編集したポイントやラインなどをそのまま表示できるので、きっともう迷わない、はず。もちろんマップアプリと連携してナビ機能も使えるから、現在地からのルートを知りたい時も一発だ。

AndroidアプリのGoogle Maps Engineから見るとこんな感じ。これはお付き合いのある出版社のレイヤーを表示したところ
イベントがよく開催される場所と、最寄り駅からの最短徒歩ルートのレイヤーを表示
ちょっとわかりにくい場所にある会社に久しぶりに行く時でも、これを見ればバッチリ
現在地からのルート検索もワンタッチ

 まだまだ情報が少ないので、社内の他のスタッフと共同で情報登録していければと思っているが、ここで注意しておきたいのが、Google Maps Engineのアプリで一度に表示できるレイヤーは最大3つまでということ。無料で利用できるLite版で編集できるのは最大3レイヤーなので問題ないが、有料のPro版は最大10レイヤーまで使って大量の情報を登録できるので、調子に乗ってガンガン登録していくとアプリ上では使いにくくなってしまいそうだ。目的や用途に応じて別の新たな地図として作成したり、1つのレイヤーに盛り込む情報を整理するなどして、上手に管理したいところ。

 また、PC上では1つのレイヤー内に含まれる名前付きポイントなどを一覧できるようになっているのに、アプリではレイヤー単位でしか一覧できないのが、やっぱり使い勝手としてはよろしくない。知りたい場所を地図上のアイコン表示されたポイントから選べるだけでなく、名称の一覧からも選択して瞬時にその場所を参照できるようになっているのが本当はベストなのだけれど……。

アプリ上で表示できるレイヤーは3つまで
レイヤー内のポイントを一覧できないのはけっこうイタい……

 商用利用の仕方としては、各地に散在している店舗の場所と関連情報を登録してすぐに把握できるようにしたり、その情報を一般公開してユーザーに参照してもらえるようにする、といった形が典型的な例のようだ。そんな風にチェーン展開しているような大企業じゃなくても、中小企業や個人のレベルで何か面白い使い方ができないか、これからも探っていきたいと思う。