みんなのケータイ

 5月中旬に所用でモスクワへ行ってきた。せっかくなので現地のキャリアや携帯電話販売店をいくつか回ってみたのだが、ロシアでもどこへ行っても売られている携帯電話はスマートフォンばかり。フィーチャーフォンも音声通話用端末としてまだいくつか売られているものの、エントリーレベルのキャリアブランドスマートフォンであれば日本円で5000円程度のものもあり、もはやフィーチャーフォンを買うよりスマートフォンを買ったほうが安い、という状況だった。

 スマートフォンの品ぞろえは他国と似たようなもので、アップル、サムスンが強く、その後をLG、HTCが追いかける格好。他にはASUSやAcerなど台湾勢、それに加えてAlcatelの製品は品ぞろえがよく、またPhilipsブランドのスマートフォンもよく見られた。そしてどこの店でも必ず売っていたのがNokiaのLumiaシリーズだ。エントリーモデルのLumia 520からハイエンドのLumia 1520まで、キャリアのお店も携帯量販店もほぼすべてのお店に在庫が置かれていた。

モスクワでキャリアの店を巡回
どのお店にも必ずLumiaの在庫あり
空港鉄道のアプリはWindows Phone用もある

 そういえば空港からの鉄道の車内無料誌には空港鉄道のモバイルサイトの広告が出ていたのだが、アプリはiOS、Androidに加えWindows Phone用も。しかも広告で使われている端末がLumia 925であったことから、ロシアでもWindows Phoneはそこそこ売れているようだ。ちなみに鉄道車内では斜め前に座った客がLumia 900を使っていた。カラフルなLumiaのボディーはちょっと遠くから見てもすぐにわかるのだ。

 いくつかのお店では店員が近寄ってこないのでゆっくり自由にショーケーに並んだスマートフォンを眺めることができたのだが、筆者がポケットからLumia 1020を取り出すと急に店員が近寄ってくることが数回あった。「店内は撮影禁止」と言われると思いきや、「それ、1020でしょ、見せて」のようにロシア語で話しかけてきたのであった。こちらはロシア語ができないので「ヤポンスキー(日本人)」と返すだけだったが、Lumia 1020を渡すと楽しそうにカメラを操作したりなど、ここモスクワでもスマートフォン好きには評判がよいようだ。

この量販チェーン店では店員と片言で話ができた。Lumia 1020が欲しいそうだ

 ここで「Lumiaってモスクワでの人気ではどうなの?」と話しかけられたらいいのだがその語学力も無し。でも、たまたま立ち寄ったキャリアMTSのお店では、ちょうどLumia 520を買っている客がいた。さすがに話は聞けなかったものの、電源投入後に店員の説明を聞きながらアカウント登録などをしているあたりから、店員も客もWindows Phoneには多少慣れているようだ。

 モスクワ滞在中も地下鉄車内や街中でLumiaユーザーをちらほら見かけることがあった。だが最新のハイエンド製品を使っている人は見かけられず、たいていがひとつ前のモデルか、あるいはエントリーモデルを使っている状況だった。まだまだNokiaブランドに力があり、そこそこLumiaが売れているロシア市場、Microsoftに買収されてから果たして同社のWindows Phoneはどのように受け入れられるのか、来年また再訪してみたいところだ。