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シックな雰囲気をかもし出すARROWS NX F-05Fのレッドを選択。奥はF-01F

 これまで使っていたF-01Fの後継機種、「ARROWS NX F-05F」を発売日にさっそく購入した。F-05Fの目玉は、なんといっても大幅に文字入力が快適になるという「Super ATOK ULTIAS」。3回に1回はキーボードをミスタッチしてしまう不器用な筆者にとっては、もしかすると救世主になりうる日本語入力アプリかもしれない、と思った。

 筆者はMacでも、Windows PCでも、これまでのF-01Fでも、すべての環境でずっとATOKを使い続けており、Mac版やWindows版は、ほぼ毎年向上する機能と性能にわくわくしている。新しいSuper ATOK ULTIASは、Windows版ATOK 2014のエンジンがベースになったこともあり、Android版ATOKをベースとしていた富士通独自のNX!inputからあらゆる部分が変わっている。

 まず、入力ミスを正しい言葉に直せる予測変換。たとえばメールの締めでよく使う“よろしく”から始まるセンテンスで、“よおしく”などと誤って入力したとしても、きちんと“よろしく”が変換候補に表示される。ここで注目したいのが、QWERTYキーボードとテンキーキーボード(フリック入力)の、キー配列ごとに異なる犯しがちなミスをきっちりカバーしているところ。

Super ATOK ULTIAS
フリック入力で“よおしく”と入力。変換候補には正しい“よろしく”が表示される

 QWERTYでもフリックでも誤入力してしまう可能性がある“よおしく”は、両方の入力モードで変換候補に“よろしく”が表示される。しかし、QWERTYでしかミスしそうにない“よろしじゅ”というミスでは、QWERTYだけで“よろしく”が表示され、フリック入力では表示されない。その時の入力モードに合わせて適切と思われる修正候補を提示する賢い仕組みになっているわけだ。

“よおしく”はQWERTYでも正しい“よろしく”に修正できる
QWERTYでは“よろしじゅ”でも“よろしく”が候補に出てくる
一方フリック入力では“よろしじゅ”と入力しても“よろしく”は候補に現れない

 アプリの種類によって予測変換候補に現れる言葉の優先順位が変わるのも注目したいところ。地図アプリや乗換案内アプリのように、通常は地名や駅名を入力するようなシーンでは、予測変換の候補の上位に地名が優先的に現れるようになっている。“標茶町”なんか、地図アプリでは“しへ”と入力した段階で候補に現れてくるほどだ。

マップで“しへ”と入力した段階で“標茶町”が候補に出現
マップ以外のアプリでは同じように入力しても“標茶町”は出てこない

 と、文字入力時をサポートする機能はまだまだたくさんあるのだけれど、F-05Fを購入したなら、文字入力を始める前に必ず設定しておきたい点がいくつかある。まず1つ目は、「ATOK キーワード Express」。最近の話題に出てくるキーワードや専門用語など、ジャンル別の語彙を変換辞書に追加登録できる仕組みで、これによって従来より収録語彙数が大幅にアップ。ネット経由で随時更新されるので、必ず初めに有効にしておきたい機能だ。

ジャンルごとに受信の可否を設定して語彙を増やせる「ATOK キーワード Express」
このようなキーワードが随時追加されていく

 すでにPCやMacでATOKを使っているユーザーなら、従来のNX!inputにもあった「ATOK Sync」も設定したい。これによって、PC/Mac版ATOKのユーザー辞書がクラウド経由でSuper ATOK ULTIASに同期され、手間なく辞書を補強できるようになる。最初にPC/Mac側でATOK Syncを設定してからSuper ATOK ULTIAS上で有効にしよう。

ATOK Syncを使い始めるには、最初にPC/Mac側で設定する
その後Super ATOK UltiasでATOK Syncを有効に

 もう1つ、すでにフリック入力が達者な人でも設定をおすすめしたいのが、「フリック学習モード」だ。フリック入力は、慣れればすばやく入力できるものの、どの方向にフリックすればどの文字を入力できるのか、最初のうちはわかりにくいのが難点。筆者もその部分でつまづき、結局QWERTYキーボードを使っていた。

 ところが、「フリック学習モード」では各キーにフリックの入力方向ごとの文字が小さく表示されるので、フリックの方向を迷いがちな人でも安心。キー入力の平均速度が表示されたり、サクッと入力できると“Great!”などと評価されるゲーム的な要素があるのもうれしい。

QWERTYキーボードとフリック入力のテンキーキーボード
キーボードの左上にキー入力の平均速度や評価が表示される

 そして、各キーの中央に表示されている円。最初は正円だけれど、キータッチやフリック方向ごとの頻度によってどんどん形を変え、色も変え、“アメーバ状”になっていく。どうやらこのアメーバ、ひたすら入力し続けて大きくしていき、いずれ“コンプリート”すると、何かが起こるらしいのだ。

まだ文字入力していない状態だと正円
「フリック学習モード」で入力し続けるに従って、アメーバ状に変化していく

 半年先か、1年先かはわからないけれど、その“何か”を目にするまで、「フリック学習モード」を使い続けるつもり。めでたくコンプリートできたら、改めてここで報告したいと思う。