みんなのケータイ

 今年の夏休みは北海道ドライブに行ってきた。札幌市内から網走まで約550kmの道のりを3泊で走るいう行程だ。クルマはもちろんレンタカー。カーナビが標準搭載されているが、せっかくなので、最近、やたらと話題のアプリ「Yahoo!カーナビ」も使ってみた。iPhoneにインストールして、アプリで行きたい観光地や飲食施設を検索。レンタカーのカーナビも併用しつつ、Yahoo!カーナビの実力を試してみた。

 実際のところ、北海道の道のりは、あまり複雑ではないということもあり、カーナビにとってはかなり優しいと思われる。札幌市内ではいくつかの交差点を曲がったが、曲がったすぐ後に進行方向に向けてきちんと地図の表示も変わってくれた。交差点までの「残り何メートル」という案内も問題のないレベルといえた。特に、交差点で複数のレーンがある場合、どのレーンが左折専用で、どれが右折専用なのかといった細かな情報も事前に表示してくれる。ドライブに必要な情報はきちんと網羅されている感があった。

 Yahoo!カーナビでは、スマホのGPSでしか測位をしていないと思われるが、それでもかなり正確に現在地を把握し、的確にナビゲーションしてくれた。ただし、数kmほどの長いトンネルでは、GPSが機能しないせいか、途中で案内が止まってしまうという状況も見られた。しかし、トンネルのなかであり、ほかに曲がるところもないので、道案内という点では特に問題はないだろう。トンネルを抜ければ、すぐに現在地を測位し直してくれる。

 Yahoo!カーナビを使っていて便利だと感じたのが「検索」だ。カーナビの場合、文字入力の反応が遅く、また検索しても出てこないケースもあり、目的地を入力する度にイライラさせられることが多い。しかし、Yahoo!カーナビであれば、文字入力はいつものスマホと同じ操作なので、全くストレスを感じない。検索も充実しており、新しい施設にも対応しているというのがうれしい。また、ドライブの休憩中に、レストランなどで次の目的地を予め調べて履歴を残せておけるので、クルマに乗ってすぐに運転できるというのも便利だ。

 せっかくなので、Yahoo!カーナビを駆動させつつ、radikoアプリをプレミアム会員契約して、J-WAVEを聴きながらドライブをした。今回、借りたレンタカーは、オーディオがBluetooth接続に対応していたため、iPhone 5sの音声がクルマのスピーカーから聞こえるようになった。つまり、Yahoo!カーナビもradikoの音声もすべてクルマのスピーカーから聞けたというわけだ。スマホとアプリがあれば、クルマのなかも快適になり、もはやクルマの装備は「Bluetooth接続とスピーカーさえあれば充分かも」と思えたほどだった。

 いま、アップルが「CarPlay」、グーグルが「Android auto」を一生懸命に普及させようとしているが、このまま行くと、カーナビはスマホに置き換えられてしまうのも時間の問題のような気がしてきた。Yahoo!カーナビは無料であり、VICS情報を入手するにはYahoo! IDを設定する必要がある。Yahoo! IDを紐付けることで、いろんな個人情報がYahoo!側に管理されているという不安はつきまとうが、無料でこれだけの機能が使えるというのであれば、ほとんどの人は満足して使ってしまうのではないだろうか。