みんなのケータイ

都内某所のビルの窓から、ガラス越しに撮影

 GALAXYシリーズはカメラの性能の高さにも定評がある。筆者がいま使っているGALAXY S5 SCL23は、約1600万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。静止画は最大16M(5312×2988ピクセル)で、動画は最大4K(3840×2160ピクセル)で撮影できる。ISO感度は最大800相当で、静止画・動画ともに手ブレ補正機能も備えている。筆者は、6M(3264×1836ピクセル)程度のサイズで、カメラまかせの「自動」で撮影することが多いのだが、ピント合わせやシャッタースピードなどの使い勝手や画質にはほぼ満足している。

 まずは、撮影見本として、筆者が最近撮った写真の中からいくつかを掲載させていただきたい。

東京ディズニーシーで撮影
多摩川で開催された花火大会で撮影
友人の結婚式にて、みんなで大空に放った風船を撮影
富士登山中に撮影した雲海
近所のお祭りで撮影。一部画像処理をしています
どこかで食べたスイーツ

 どうです? スマホでこれだけ撮れたら十分だと思いませんか?

 GALAXY S5のカメラは位相差オートフォーカスを採用し、約0.3秒でピントが合うこともセールスポイント。実際に使ってみても、その速さは実感できる。スマホのカメラにとって「撮りたいものをすぐに撮れる」ことは非常に重要。本音を言えば、カメラの起動がもうちょっと速いとうれしい(といってもスマホとして平均的な速さだとは思う)のだが、同じ撮影シーンでアングルを変えるなどしてパシャパシャとスピーディーに連写できるのは快適この上ない。

「ショット&エフェクト」は、撮影してから効果を選べる

 GALAXY S5のカメラには多彩な独自機能も搭載されている。例えば「ショット&エフェクト」は、高速で連続撮影した写真からベストショットが自動で生成される機能だ。被写体に人物が含まれる場合は「ベストフェイス」、動いている被写体を撮影した場合は、その軌跡を合成した「ドラマショット」なども生成できる。撮影中に偶然入り込んだ物を消せる「消しゴム」も使える。これら個々の機能は、前モデルGALAXY S4から受け継がれたものだが、S4では使いたい機能や効果を選んでから撮影する仕組みだったが、S5では「ショット&エフェクト」で撮影すると、撮影後に適用できる機能や効果を選択できるように改良されている。

 メインカメラでの撮影と同時に、フロントカメラで自分自身も撮影できる「デュアルカメラ」機能も搭載。さらに、カメラの向きを変えたり、撮影者が移動しながら撮影できる「バーチャルツアー」という新機能も追加されている。不動産やホテルのWebページなどに、屋内をいろんな角度から見られる全方位写真のようなものが掲載されていることがあるが、そんな感じの写真が撮れる機能だ。

メイン&サブの2つのカメラで撮れる「デュアルカメラ」。自分撮り用のフレームを選べて、サイズや位置も調節可能
「バーチャルツアー」で撮影すると、写真のつなぎ目がずれたり、被写体の形状がいびつになることも

 しかし、筆者はこれらの独自機能をほとんど活用していない。いわば“宝の持ち腐れ”といった状況だ。購入した当初は、積極的に「ショット&エフェクト」を試してみたが、さほど実用性が高いとは思えなかった。「ショット&エフェクト」は、シャッターを押してから撮影した画像が処理される約5秒ほどの間は、端末を動かさずに持っている必要がある。これが、じれったいのだ。せっかく高速オートフォーカスを備えているのだから、自分で何度もシャッターを切って連写したほうが納得がいく写真が撮れるように感じている。

 ドラマショットや消しゴムは、それを活用できるシチュエーションにはなかなか出会えないのが実状。今夏、近所の川辺で開催された花火大会を観に行ったのだが、筆者が陣取った場所は人の往来が多く、何度となく視界を遮られた。「こんなときこそショット&エフェクト!」と思い立ち、撮影を試みたが、フレームにがっつりと写り込む通行人は消しゴムで消せる対象には認識されなかった。しかも、花火よりも、むしろ邪魔な障害物にピントや明るさが合ってしまうという結果に……。

 新機能のバーチャルツアーも、実際に使ってみると、きれいな合成写真を撮影するにはテクニックが要り、部屋の構造などによっては思うように撮れない場合もある。機能としては面白いが、実用性としては、動画で撮ったほうがいいのでは? というのが率直な感想だ。

「選択フォーカス」で撮影し、「近焦点」を選択した

 結構使えるかも! と思っているのは「選択フォーカス」機能。これをオンにして撮影すると、撮影後に焦点を選ぶことができ、一眼レフで撮影したかのような背景をぼかした写真も作れる。

 GALAXY S5を使い始めてから約2カ月。カメラの多彩な機能は使いこなせていないが、それらの機能に頼らずとも、快適に日々のスナップ撮影を楽しんでいる。