みんなのケータイ

 ファーウェイがAscendシリーズを国内市場に投入し、さらにASUSがZenFone 5を2万円台半ばで販売するなど、SIMロックフリーの端末市場が盛り上がりを見せている。こうした背景にはMVNOの価格競争で、「格安SIM」や「格安スマホ」なる言葉が登場してきたこともあるが、秋葉原や並行輸入サイトなどを通じて日本でのサポートが非常にあいまいな状態で販売され、「どことなく怪しい」と感じられていたSIMロックフリー端末が、聞き覚えのあるメーカーから登場してきたという部分も少なからずあるだろう。

ZTE Blade Vec 4G

 そんな状況もあって、筆者はここ最近、意識的に「PandA」を使ってみたり、「ZenFone 5」を使ってみたりしてきた。そして今回はZTEの「Blade Vec 4G」である。

 Blade Vec 4Gは、NTTコミュニケーションズの「OCN モバイル ONE」とのセットで2万円程度で販売されるなどしている。スペック的には、5インチディスプレイを搭載し、OSがAndroid 4.4で、チップセットにクアルコムのMSM8926(1.2GHz、クアッドコア)が採用され、LTE(2100/1700/800MHz)にも対応。電池は2300mAh。ヘビーユーザーでなければ、概ね満足できる仕様だと考えられる。

ついつい手が伸びる「タスクマネージャー」アプリ

 実際のところ、この価格帯のスマホとしては、1GBというRAM容量は平均的ではあるが、ヘビーに使うとなると、ちょっと心もとない感じになる。数週間使っている分には、取り立ててRAM不足で支障を感じる場面は無いが、そもそもRAMが少ないという予備知識があると、気が付くと自然に指がプリセットされている「タスクマネージャー」アプリのアイコンをタップして、不要なタスクを終了させているという、人間側の適応能力が発揮されているという説もある。

 ヘビーユーザーにとって、それ以上に厳しいのはストレージ容量で、内蔵ストレージが16GBでmicroSDカードスロット無しというスペックなので、たくさん音楽や動画を持ち歩いて楽しみたいと思った瞬間に、クラウドにデータを預けてストリーミングに頼るか、ワイヤレスストレージを持ち歩くなどして対応するなど、さらなる創意工夫が求められることになる。

タスクの一括終了前
タスクの一括終了後

 一括約2万円という価格を考えると、それを実現するために取捨選択した結果なのだろう。かと言って非力かと言えばそうでもなく、メールやブラウザ、地図、SNSといった、プリセットされているアプリぐらいしか使わないようなライトユーザーであれば、使っていて支障を感じるようなことはあまりない。LTE対応ということで、モバイルルーターの代用品と考えるのも悪くない。高級車よりもコンパクトカーと考えるような、価格と実用性のバランスを重視するようなユーザーにとっては、よくフィットする一台なのではないだろうか。