みんなのケータイ

 Nokiaの携帯電話部門を買収したMicrosoftから、ようやく同社のブランド名を冠した製品が発売となった。それがMicrosoft Lumia 535である。発売はアジアが最も早く、筆者の居住する香港はどうやら世界で最初に販売が始まったようだ。フラッグシップモデルではなく低価格モデルではあるものの、このLumia 535は今までのLumiaの500シリーズ=エントリーモデルとは一線を画する製品に仕上がっている。

 ちなみに筆者が香港の家電量販店で購入している時、すぐ隣で同じくLumia 535を購入しているお客さんを見かけた。またその後香港の量販店店に立ち寄ってみたところ、Lumia 535を購入している人を見たり、あるいは店員さんから説明を受けている人を見かけることが多かった。Microsoftブランド第1号の製品となったLumia 535の出だしは香港では悪くはないようだ。

Microsoftの名前が入ったLumia 535
背面ももちろんNokiaではなくMicrosoft

 Nokia時代のLumiaシリーズは、最も低機能で価格の安い500番台から、600→700→800→900と、性能と仕上がりが上がるごとに100番ずつ製品型番が大きくなっていた。カメラに特化したLumai 1020や、ファブレットの同1320、1520など1000番台のモデルもあった。このように過去の型番の付与方法から考えると、Microsoft Lumia 535は低スペックなエントリーモデルのはずだ。

 ところがLumia 535はエントリー製品を超えた性能を有している。例えばディスプレイは前の500シリーズ、Lumia 525が4インチ、一つ上位モデルのLumia 635が4.7インチのものを搭載、それぞれ解像度は480×854ピクセルだ。これに対しLumia 535は5インチ540×960ピクセルのものを搭載。画面が大きくなっただけではなく解像度も高まった。もちろんこの解像度はHDやフルHDと比較すれば低いものの、スマートフォン専用サイトを見るとそれなりにきちんと表示してくれる。

セルフィー専用カメラも。各種エフェクトも楽しい

 また、カメラもこれまでの500シリーズ、600シリーズはフロント側は非搭載だった。しかし、Lumia 535は500万画素と言う、Lumia 830やLumia 930などの上位モデルより高画質なものを搭載しているのだ。ちなみにセルフィー専用カメラアプリも搭載しており楽しく自分撮りができる。

 このようにLumia 535は、今までの型番では区分できない新世代のLumiaというべき製品なのである。大きい画面で見やすさと操作性を高め、しかもフロントに高画質カメラを搭載することでセルフィーも楽しめる。スマートフォンを使うことを楽しみたい若い世代にアピールするため、CPUなどは性能を落としつつもカメラなどは妥協しないスペックのものを搭載いているわけだ。

 実は筆者は半ば「お試し」気分でLumia 535を購入した。ところが買ってからしばらくはメインで使っているSIMカードを入れたまま使い続けたほどで、予想していたよりも使うことが楽しく感じられるのだ。もちろん2万円を切る価格相応の性能であり、LTEにも対応はしていない。だが値段を考えれば多少動作が遅くとも十分納得できてしまう。意外にも使い勝手がよいLumia 535、デュアルSIM版ということもあり海外にも持ち出していろいろと使ってみようと思う。