みんなのケータイ

3カ月が過ぎ、ようやくアップデートが配信された

 発売日に購入してから3カ月強が経ち、「GALAXY Note Edge」にようやくソフトウェアアップデートが行われた。さまざまな記事で、折に触れて指摘していたとおり、GALAXY Note Edgeはコンセプトがおもしろい半面、完成度はイマイチだった。

 この時期のスマートフォンとしてはありえないほどの“モッサリ感”は、その代表例。特にChromeやGoogleマップといったGoogle謹製アプリとの相性が悪く、これらを開くとフリーズすることもしばしばあった。寒空の下、駅の改札を出たあと、取材先をマップで調べようとしたら固まってしまったときには、そのまま端末を叩きつけて本誌の「The クラッシュ!」送りにしようかと思ったほど。ちょっと大げさだが、そのくらいストレスフルだったということだ。

 GALAXYシリーズは、Android端末の中では抜群の安定感を誇り、細かな部分にまでカスタマイズが行き届いていた。そのような点を評価していたため、GALAXY Note Edgeの完成度は非常に残念だった。もうそろそろ使い続けるのは限界かもしれない……そう思って別の機種を物色していた矢先に、先に述べたアップデートがあった。

画面を上下反転できる機能が追加された。IFAで発表された際にはあった機能だが、国内発売時に削除されていた。左手で操作するのに便利

 このアップデートを適用した結果、今まで感じていたレスポンスの悪さは、ある程度解消されたように思える。とりあえず、Chromeで固まることはなくなったし、マップを開いても普通に動く。他の機種と比べて格段にいいというレベルにはなっていないが、使っていてウンザリするようなストレスは感じなくなった気がする。また、悪いと感じていた電池の持ちも、体感レベルで改善されている印象だ。

 アップデートにより、新機能も加わった。特徴であるエッジスクリーンを残したまま、端末の画面だけを上下反転できるようになり、左手で使うことも可能になった。エッジスクリーンに表示する画像の「Express me」や、Flip Wallet使用時に表示される時計には、新たなデザインが追加されている。もう少し実用的な機能追加もほしかったところだが、やや持て余し気味だったエッジスクリーンの設定をもう一度見直してみようと思えたのはうれしいポイントだ。

デザインのパターンも増えている
地味にうれしいのが、通話終了時のボタンの変更。今までは短押しで簡単に再発信になり誤操作しがちだったが、ここがスライド式に切り替わった

 気になっているのは、アップデートの配信に時間がかかった点。日本はかなり発売時期が早かったこともあり、ソフトを詰めきれていないところまでは、まだ仕方がないと思える。ただ、レスポンスがここまで悪かったのを3カ月以上放置しており、2月まで一度もアップデートがなかったのは非常に残念だ。アップデートの配信をコントロールしているドコモには、強く改善を求めたい。一気にさまざまな点を改善するより、小まめにアップデートした方が満足度も高くなったはずだ。

 また、アップデートの詳細がきちんと告知されていないのも、疑問に感じた部分だ。ドコモからのアナウンスには、「通話中、相手の声に雑音が混入する場合がある」という点しか書かれていない。その他の改善は、「下記以外にも、より快適にご利用いただくための更新や一部仕様および表示変更などが含まれています」と非常にアバウトな注にまとめられている。

 一方で、アップデート時に表示された画面を見ると、パフォーマンスの改善や新機能の追加があることが分かる。念のため、サムスン電子からも、パフォーマンスなどに手が入れられていたことを確認している。こうした点は、アップデートの際にきちんと開示してもらいたいところだ。その方が、きちんとアップデートするユーザーも増える気がする。

 Androidのバージョンが上がるに従い、安定性が増し、一時期よりはアップデートについて騒がれることは少なくなった。記者会見などの場で、こうした質問が出ることも減っている。ただし、今回のGALAXY Note Edgeのように例外はあるし、当然、セキュリティホールに対しては迅速に対応すべきだ。先進的なユーザーを取り込もうと投入したGALAXY Note Edgeであれば、なおさらアップデートは積極的にしてほしい。