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Office 365のライセンスなどが無料なLumia 640シリーズ。太っ腹な販売政策だ

 3月上旬にスペイン・バルセロナで開催されたモバイル業界最大のイベント「Mobile World Congress 2015」にはマイクロソフトが出展していた。場所は昨年ノキアが出展したエリアで、ソニーのちょうど向かいと言う絶好のロケーションだ。新製品も2機種発表され、Windows Phoneにも少しずつ勢いが出てきたように感じられる。しかも今回発表された2機種の「Lumia 640」「Lumia 640XL」は端末を購入するだけで1年間Office 365が無料な上に、もう1ライセンスが無料となる。つまり手持ちのLumiaだけではなく別のPCやタブレットでもOffice 365を無償で利用できるのだ。それに加えてOneDriveのストレージ1TBやSkypeの毎月60分無料通話なども利用できる。Lumiaはもはや「Windows Phoneスマートフォン」としてだけではなく、マイクロソフトのサービスの利用にも有利な製品として販売されるわけである。

マイクロソフトブースにあったノキアブランドの端末はわずか。着々とブランド変更が進んでいる

 また、同社ブースには1月に発表されたエントリー向けの「Lumia 435」「Lumia 532」も展示。筆者が12月に購入した「Lumia 535」ももちろん多数のデモ機が提供されていた。これら5機種はいずれもマイクロソフトブランドの製品であり、ノキアブランドのLumiaはわずかに2~3機種と着実にノキアからマイクロソフトへの移行が進んでいることが感じられた。だんだんとノキアのブランドが消えて行ってしまうのは筆者としては寂しい感があるものの、Windows Phoneそのものが元気になってくれるのであれば仕方ない所だろう。

 実はバルセロナ到着前、筆者はギリシャのアテネに数日滞在した。海外各都市へ行くと家電量販店や携帯電話ショップへ行くのが常となっているが、アテネの量販店ではLumiaスマートフォンが結構目立つ場所に置かれており購入者もそこそこいるようだった。製品はまだまだノキアブランドのものが大半だったが、製品が置かれている場所を見るとそこには「Microsoft」のロゴとブランド名が掲げられていた。

 ギリシャでは各社スマートフォンを分類する際も「iPhone」「Microsoft」「Samrtphone」という分け方をしていた。販売店レベルではもうノキアではなくマイクロソフトというブランドを大々的に使い始めているのである。今後出てくるLumiaは全てマイクロソフトブランドになるし、Windows 10が登場すればノートPCやタブレットと一緒の場所でLumiaも売られるようになるだろう。販売店レベルでこのようにマイクロソフトブランドを強化しているということは、マイクロソフトのスマートフォンにかける意気込みも本気なのである。今後の展開がいろいろと面白くなっていきそうだ。

家電量販店でこのブランドとロゴを見るとSurfaceなどが置いてありそうだが、売っているのはノキアとマイクロソフトのLumia
アテネの家電量販店「Public」