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世界で初めて虹彩認証を搭載した「ARROWS NX F-04G」

 指紋認証をいち早く導入し、隠していることすら隠せるプライバシーモードなど、セキュリティに関しては他社よりも熱心な富士通が、2015年のNTTドコモ夏モデル「ARROWS NX F-04G」の新たなセキュリティ機能として、「虹彩認証」を世界で初めて搭載しました。

 今でこそiPhoneやGalaxy、AQUOSなど数多くのスマートフォンが搭載する指紋認証ですが、富士通が初めて携帯電話に指紋認証を搭載したのは2003年7月に発売された「ムーバF505i」と、今から12年も前のこと。その後も2011年11月には指紋認証を搭載したスマートフォン「REGZA Phone T-01D」を発売するなど、生体認証にはいち早く取り組んできました。

 そんな富士通が今回新たに選んだ虹彩認証機能「Iris Passport」は人間の目の中にある「虹彩」と呼ばれる薄い膜を認証に利用したセキュリティ機能。ディスプレイを見つめれば本体に触ることなくロックを解除できるだけでなく、認証の誤認識率も指紋認証と比べて1/10程度に抑えられるなど、セキュリティと利便性を高めた新しい方式なのです。

本体右上部に虹彩認証専用のカメラを搭載
おなじみのスマート指紋センサーは背面から姿を消す
実際に認証しているところ

 とはいえ、今まで指紋認証に慣れた身からすると「本体を見るだけで解除」というのはどんな使い勝手なのか不安もありましたが、実際に使ってみるとこれが驚くほど簡単。初回登録は10秒程度本体を見つめて自分の虹彩を登録する必要がありますが、一度登録してしまえばあとは本体を見るだけで一瞬にして本体のロック解除が可能。実際には本体のスリープを解除するために本体を操作する必要はあるのですが、ディスプレイを見つめるだけでロックを解除できるという体験は新しさだけでなく実用性にも優れています。

虹彩認証の設定画面
目の高さまで本体を上げて画面を見るだけでロック解除

 ディスプレイには自分の顔と目を合わせる最適な位置が表示され、画面の通りに目を合わせればロック解除できますが、毎回毎回ロック解除のたびに自分の顔を見るのは個人的にはあまり嬉しいものではありません。しかしこの顔表示も設定からオフにすることができます。。顔表示がない場合、虹彩認証の最適な位置を自分で把握する必要があるのですが、認証の際にディスプレイではなく虹彩認証用のカメラを見つめることで精度を大幅に上げることができました。虹彩認証がいまいちうまくいかないという方はカメラを見つめるという手法もお試し下さい。

 本体のスリープ解除も一工夫が加えられており、「タッチでON」機能を使うと画面の一部分だけをタッチしたときにスリープを解除できます。タッチエリアは自由に指定できるため、自分の利き手近くに小さく設定しておけば、「鞄やポケットの中で勝手にスリープが解除された」という心配もありません。スリープは本体横の電源ボタンでも解除できるのですが、画面の下をタッチするだけで解除できると指を大きく動かす必要もなく、さらに虹彩認証と組み合わせれば必要最低限の動きで本体ロックを解除できます。

認証時のインカメラはオフ設定も可能
画面オフ時に任意の部分をタッチしてスリープを解除できる「タッチでON」

 これまで愛用してきた指紋認証も非常に便利でしたが、手を触れずにロック解除できる虹彩認証なら指紋認証の時はできなかったことも可能になります。指が水で濡れていたり、手袋をしていて指紋認証が使えないなんて時も、虹彩認証なら画面を見るだけでOK。乾燥肌でどうしても指紋が認証されにくかった、なんて人も虹彩認証なら簡単に本体をロック解除できます。

 一方で虹彩認証も完璧ではなく、苦手なシーンもあります。一番苦手なのは晴天時の屋外など明るすぎる場所で、周囲が明るすぎると虹彩をうまく読み取ることができません。その時は日陰を探したり手で太陽を遮ったりという工夫をするか、虹彩認証と一緒に設定するパターン認証など他の認証方法で解除する必要があります。その他、眼鏡装着時は認証自体はできるものの、眼鏡が汚れていたり光を反射して光ってしまったりすると認証が難しくなります。眼鏡で虹彩認証は日頃から眼鏡も綺麗に保つようにしておきましょう。

虹彩認証を他の人も試せる体験アプリがプリインストール

 と、得手不得手はあるものの、「触らずにロック解除できる」という体験は非常に画期的。面白いことにF-04Gでは、虹彩認証を体験するためだけのアプリもプリインストールされています。この体験アプリはスマートフォン所有者以外でも簡単に試せるだけでなく、本体に虹彩認証のデータが残ることもないので、友人でF-04Gを持っている人がいたら、ぜひ一度虹彩認証を体験してみてください。