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SIMフリーのiPhone 6は、対応周波数が多く、使える国が多いのがうれしい

 「使ってたの?」と思われたり、ヒドイときは「似合わない」とまで言われることもある筆者だが、iPhone 6はそこそこ愛用している。Apple Musicで朝からインディーズロックを聞くようなヘビーユーザーではないものの、国内でも必ず持ち歩いているし、何より海外での利用機会が多い。日本で販売されている他のどのSIMフリー端末より対応バンドが多彩で、TD-SCDMAのようなマイナーな規格まできっちりサポートしているからだ。特に中国出張では重宝しており、Mobile World Congress Shanghaiでもしっかり活躍してくれた。

 そんなiPhone 6だが、操作しているだけで、たびたび本体が熱くなってしまっていた。アプリを終了させようとすると、操作を受け付けなくなることもしばしば。「メッセージ」アプリなどが開かないトラブルも併発していた。復元も試してみたが、症状は改善しない。そこで、サポートに連絡してみることにした。

 サポートの指示は非常にスムーズ。いくつかの質問に答えたところ、こちらに責任のない自然故障として、本体を交換できる可能性が高いというアドバイスを得ることができた。さっそく電話でクイックガレージに在庫を確認。その日のうちに訪問して、無事に本体交換となった。交換後、すでに20日以上使っているが、以前のように急に熱を持つこともなく、動作も安定している。ソフトウェアは以前のものに復元しているため、やはり、ハードウェアに原因があったようだ。

SIMフリーだったはずのiPhone 6だが、交換後にSIMロックがかかってしまった。au以外のSIMカードを挿すと、このような画面が表示されていた

 ところが、交換したiPhoneでちょっとしたトラブルがあった。交換時に挿していたau以外のSIMカードを入れると、「アクティベーションできません」というメッセージが画面上に表示されてしまう。本体交換時にSIMロックがかかってしまっていたのだ。クイックガレージでは、2~3日するとSIMロックが外れるということを聞いていたが、一向にそうなる気配がない。そこでアップルのサポートに再度電話し、SIMロックがかかってしまった旨を相談した。

 残念ながら、SIMロックについての話が通じない人もいたため、解決までに少々時間がかかったものの、本体交換から8日後にようやくSIMロックが外れた。最初のうちは「そのうち外れる」と言われて納得できなかったが、粘り強くサポートとやり取りしたのが功を奏したようだ。本当は、もっとすんなり解決してくれるといいのだが。

サポートと何度もやり取りした結果、ようやく外れたSIMロック。画面のキャリア名はソフトバンクになっているが、これは中国渡航用に買った中国移動香港のSIMカードで国際ローミングしていたため

 サポートの話を総合すると、SIMフリーのiPhoneを交換する際の運用は、以下のようになっているようだ。実際に交換した本体の挙動とも、マッチする話だ。

(1) 交換後の本体は、アクティベーションするまでSIMロックがかかっていない
(2) 最初にアクティベーションする際に入れていたSIMカードで、本体にSIMロックがかかる
(3) SIMロックを解除する運用として、IMEIの番号をサーバーに登録する必要があり、登録作業自体は本国で行われる(日本からは依頼が可能)

 自分のケースでは、(1)(2)と進み、auのSIMカードでアクティベーションした際に、SIMロックがかかってしまっていた。その上で、(3)の手続きがきっちりできていなかったために、SIMロックが外れるまでに時間がかかった。まさか、SIMフリーのiPhoneを交換したらSIMロックがかかってしまうとは思わず、完全に油断していた。サポートとやり取りしている際にネットで調べてみた限りでは、同じトラブルにあっている人も少なくなかった。むしろ、SIMフリー版が交換対応になったときの、ハマりがちなポイントのようだ。

 こればかりはユーザー側が注意しても、回避しづらいが、同じシチュエーションになったら、やれることはやっておいた方がいい。まず、交換時に、何度もSIMフリー版である事実を念入りに何回も告げること。また、交換品をアクティベーションする際に使うSIMカードは、海外キャリアのものにした方がよさそうだ。この部分は検証しきれていないため断言はできないが、元々SIMロックをかけずに販売しているキャリアのSIMカードなら、SIMロックがかからない可能性はある。

 とは言え、ユーザー側で防ごうにも、やはり限界がある。アクティベーション時のSIMカードを判別してSIMロックをかける運用は、店舗にとっては効率的なのかもしれないが、残念ながらユーザーフレンドリーとは言いがたい。結果として後からSIMロックが外れたからいいものの、何度もサポートとやり取りするのは時間も手間もかかった。交換前の端末がSIMフリー版であることが確認できれば、SIMロックがかからないキャリアのSIMカードでアクティベーションするなど、何らかの対策も取れるはずだ。

 アップルはリアルな拠点も多く、SIMフリー端末を販売するメーカーの中では格段に対応はいい。それだけに、SIMフリー版に対する運用は、ぜひ改善してほしい。