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今年もドイツ・ベルリンで開催されたIFAを取材してきた

 9月4日~9日に開催されたIFAを取材するため、8月31日からドイツ・ベルリンに渡った。別の記事でも触れたように、今年は日本から飛行機でデュッセルドルフまで飛び、そこから高速鉄道でベルリンまで移動している。

 現地でお世話になった回線が、E-PlusのMVNOであるblauだ。MNOのE-Plusはドイツ第4位の通信事業者だったが、今年に入ってO2に吸収されている。一方で、ネットワークはいまだ独立しており、blauのSIMカードで接続できるのはE-Plusのネットワークだけだ。

デュアルSIMに対応した「ZenFone 2」なら、日本の電話番号にかかってきた電話に、blauで折り返すといったことも可能。こちらの方が、電話代が安くなる

 上位の事業者に比べ、ややネットワークは弱いものの、日本と同じバンド3(1.8GHz帯)でLTEのサービスを行っているのは魅力と言える。バンド3なら、日本の多くの端末が対応しているため、選択肢が一気に広がる。筆者は日本から持ち込んだ「ZenFone 2」を利用することにした。

 何より、料金が非常に安い。筆者は今回、電話番号を指定したかったこともあり、blauのSIMカードを日本から申し込んでいた。この料金が9.9ユーロ(約1340円)。デュッセルドルフ到着後、ここに10ユーロ(約1354円)をクレジットカードでチャージし、19.9ユーロ(約2695円)の5GBパッケージを申し込んだ。

日本から申し込んでおいたSIMカード。無事に、指定したホテルに届いていた
SIMカードは標準、micro、nanoの3サイズ対応

 つまり、ここまでに支払った金額はトータルで19.9ユーロ。3000円を切る値段で5GBのデータを使えるのというのは、ドイツのプリペイドSIMの相場を見ても、かなり安い。よほど大きなデータをやり取りしようとしなければ、滞在中の通信をすべてここに集約することもできる。

通信環境が良いところでは、70Mbps近い速度が出ていた

 事前に「貧弱」と聞いていたためもあってか、ネットワークに対する不満もほとんどなかった。むしろ、第4位の事業者としては、よくつながっていた方だ。IFAの会場でもきちんとLTEになるし、地下鉄内でもHSPA+かLTEでつながる。圏外になるケースは、高速鉄道で移動中をのぞき、ほとんどなかったと言ってもいい。

 LTEをつかんでしまえば、速度もかなり高い。宿で速度を測定したところ、下りは70Mbps近く出ていた。テザリングを使ったファイルの送受信はもちろん、動画、サイトの閲覧もスムーズで、ネット環境は快適そのものだった。

チャージやデータパッケージの申し込みは、モバイルサイトから簡単に行える。ただし、データパッケージは、適用までにかなりの時間がかかってしまった

 満足度の高いblauのSIMカードだったが、一点だけ難点もあった。それは、データパッケージの反映に時間がかかること。デュッセルドルフに到着してからすぐに申し込んだが、適用までに丸々2日かかってしまった。その間データ通信をすると、残高があっという間に減ってしまう。すぐに使いたいなら、日本で開通を確認した時点で、データパッケージも申し込んでおくべきだった。ただし、郵便で送られてくるSIMカードが現地のホテルに到着していないなどのリスクはある。

 このような使い勝手の悪さはあるが、通信サービスそのものには十分満足している。旅行や出張、留学などで、長期間ドイツに滞在する予定のある人にはオススメできそうだ。