みんなのケータイ

 普段、自分の車を使って初めての場所に行くときには車に積んだカーナビにその場所まで案内してもらうのですが、いつも自分の車が使えるとは限りません。

これが今回運転したいわゆる「道具車」。古いバンで、カーナビなど当然付いていない

 我が家の次男坊は野球のシニアリーグに所属していて、しょっちゅう試合のために遠征に行くのですが、筆者ら父親たちも野球道具を運ぶための「道具車」という専用のバンを運転して、遠征に加わらなくてはならなかったりします。

 この道具車、もちろん古い車で、カーナビなど搭載してはいません。それでいて、初めての球場、知らない球場、遠くの球場でも運転していかなくてはならないのです。そんなわけで、道具車運転手のお父さんたちは、遠征の際によくスマートフォンをナビ代わりに使っています。

 秋の大会が始まった先日、筆者も龍ケ崎にある「たつのこフィールド」や、成田市にある「ナスパ・スタジアム」に行く際にZenFone 2をカーナビ代わりに使ってみました。

 何台か筆者が持っているスマートフォンからZenFone 2を選んだのは、このスマートフォンが位置測定に準天頂衛星・みちびきからの電波も使うことができ、条件がよければこれまでのGPSのみによる位置特定よりも非常に精度の高い測定が可能で、条件次第ではセンチメートル単位で位置を特定することが可能になるはずだからです(準天頂衛星システムに関しては、ケータイ用語の基礎知識「第483回:準天頂衛星システム(QZSS)とは」をご参照ください)。

こんな感じにZenFone 2をエアコン吹き出し口に取り付け。車が止まったときにちらりと地図をみることもできる、よい位置にスマートフォンを設定することができる、エアコン吹き出し口用マウンターは便利だ。値段は500円程度で手に入る。ちなみに電源はシガーソケットから接続している

 使用する際には、秋葉原で500円程度で売っていた「車内エアコン用スマートフォンマウンター」を取り付け、ZenFone 2を固定しました。簡易的なマウンターだったのですが、これは当たりでした。エアコンの風が遮られてしまい、ZenFone 2の背面が異様に冷えてしまうという小さい問題はあるものの、簡単にスマートフォンを見えやすい位置に固定することができるという意味では、非常に便利です。安全運転のためにはマウンターは絶対必要だと思いますが、こんな簡易的なものでも十分役にたちますね。

 ZenFone 2の音量は、専用のナビに比べると小さいので、取り付け前にあらかじめ音量を最大にしておくこと(ZenFone 2の音量ボタンは背面にあるので、マウンターに取り付けてしまうと音量が変えられないですよ!)。できれば行き先などはマウンターに取り付ける前に入力していたほうが楽、ということさえ憶えておけば、割合快適にナビとして使うことができます。

 ただ、ZenFone 2はカーナビ代わりに使うと、(ある意味当然かもしれませんが)電池の消耗が恐ろしく早いです。シガーソケット用USB電源出力プラグ(シガーチャージャーなどと呼ばれることも多い)を使用して常にZenFone 2には電力を供給していたのですが、それでもジリジリと電池の容量表示の数字が少なくなっていきます。

 テスターで計ってみると平均して0.2~0.3Aは流れているのですが、それでは足りないようです。今回の往復3時間程度の旅程では電池切れになることはありませんでしたが、もっと遠くへの遠征(たとえば全国大会……行ければ、ですけど)などでは電池が心配になるようなケースも出てくるかもしれません。

 ちなみに、最近ではシガーチャージャーでは「QuickCharge 2.0」、すなわちドコモで言うところの「急速充電2」に対応したものもあり、XperiaなどQualcomm製チップを搭載した対応機では大電流での充電も可能になっているみたいなのですが、ZenFone 2の場合インテル製チップを採用しているため、高速充電も独自規格であり、このようなシガーチャージャーでも充電速度は変わりません。この辺は、インテル製チップを採用したZenFone 2の弱点と言えるかもしれません。

 ところで、ナビとして使ったアプリは、ZenFone 2に標準でついてくる「Googleマップ」だったのですが、なんというか、非常に特徴的な経路を示すアプリですね。

 特徴としては、まずどんなに細い道でも最短のルートで行こうとします。たとえば、大きな道で道なりにまっすぐ行くと突き当たりになっていて、そこで左折すれば目的地方面に向かえる場合でも、横の道がショートカットになっていると思えば、細い裏路地でも迷わずそちらを指示してきます。いつもよりも車体の大きなバンを運転しているとき、これはかなり怖いです。

 それから、本来通れない場所でも、最短距離であるとGoogleマップが思ったら、例え未舗装路であろうと、道がなかろうと、そのルートを案内します。PC版のGoogleマップを後で見てわかったのですが、高速道路のインターチェンジを降りてから「ナスパ・スタジアム」に向かうルートでは、本当は地図では東側にある保育園側からしか道路がないのに、逆の西側の貯水池を走破して到着することになっています。いくらハイエースでも道なき道や貯水池の中を渡るのは無理だと思います(苦笑)。

Googleマップで行き先を設定。これで右下の矢印のアイコンをタップすると、ナビによる誘導がスタートする
後でPCのGoogleマップで確認してみたら、なんと目的地のスタジアムまでは貯水池を渡って行くよう指示されている。本当は道路があるのは逆側の大栄幼稚園のある側のみなので、そちらへ誘導してくれないと、ナビとしては失格なのでは……

 ルートのオプションとして「高速道路・有料道路は使わない」という設定はできるのですが、できれば、こういうときに「できるだけ大きな道路を使って行く」ようにできれば解決するように思うのですが、Google様、そんなオプションはつけていただけないものでしょうか?

 それと、専用カーナビとスマートフォンを別に使うのと、スマートフォン1台で済ませてしまう場合の違いとしては、LINEなどの着信が着たことがわからないことにも注意が必要かもしれません。

 実はLINEのトークやLINE通話での呼び出しがあったのですが(筆者の運転する道具車の到着が遅く、心配した他のお父さんがかけてきたのです)、Googleマップを動作させているときにはLINEの呼び出し音などは鳴りません。通知バーにLINEのアイコンが表示されるのですが、それ以外の変化はないのです。おそらく、運転中に他のことに気を取られないよう、安全のためにそうなっているのでしょうが、着信しても全く気づくことができませんので、この点も頭に入れておいた方がいいでしょう。

 サードパーティソフトであればこの辺は違うのでしょうか。今度、道具車当番が回ってきたら試してみようと思います。それまで息子のチームが大会で勝ち残っていればの話ですが……。