みんなのケータイ

今回はガラホ「AQUOS K SHF31」以外に、ドコモのiモードケータイ「SH-02B」、iPhone 6、auのAndroidスマートフォン「URBANO L03」などを使ってデータ移行をチェックしてみた

 不安である。Androidを搭載したフィーチャーフォン「AQUOS K SHF31」の機種変更が不安である。というのも、実際にデータを移そうとなると、「このデータは移せるのか」と不安がたっぷり出てくる。しかもMNPなのでキャリアも違います、なんて場合はもう怖くて仕方がない。

 というわけで、筆者のまわりの端末を使い、AQUOS Kのデータ移行についていろいろ試してみた。MNPも含めると主に以下のパターンがあると思う。

・フィーチャーフォン(ガラケー)から移る
・Androidスマートフォンから移る
・iPhoneから移る
・これらの逆パターン(ガラホから移る)

 さらに、

・同じキャリアから移る
・違うキャリアから移る

が加わる。

 心底面倒くさい、とは思ったものの、そこは機種変更のたびにトラブルに見舞われてきた現代人。今ではキャリアがデータ移行の方法をWebサイトで丁寧に説明しているので、確認すればよいのだ。

 で、筆者はauのページを確認したわけだが、microSDカードや赤外線、Bluetooth、専用アプリを使ってデータ移行ができるので、意外とラク。さらに何が移せるのか、何を諦めなければならないのか、事前に確認できると心の準備が整う。

 そう、“諦める”。このネガティブな言葉を、ここではポジティブに捉えていきたい。不安がってはいけない。前向きに諦めるのだ。なにしろガラホは、いろんなものを諦めてシンプルに使いたい人のための端末なのだ。「今まで使ってきたデータすべてを移したい!」なんて、そんな夢を見ちゃいけない。それをしたらシンプルではなくなる。

スマホ・iPhoneとガラホ間のデータ移行では、移行元の端末が別キャリアでもauのデータお預かりアプリ(auバックアップアプリ)を使う。こちらは、ドコモ・iPhoneから移行する場合
Androidスマホからも行ったが、ブックマークや発着信履歴の移行も可能

 さて、具体的に何を諦めるのか。Android非搭載のフィーチャーフォン(ガラケー)からデータ移行をする場合、多くのガラケー専用サービスが終了しているため、移すデータは電話帳、メール、カメラで撮影したファイルが中心になりそう。これらならキャリアが違っていても移しやすい。

 独自のアプリ、ファイル形式・フォーマットのデータがある場合は(主に音楽や動画、電子書籍だろう)コンテンツ会社が対策をしていない限り、移行を諦める。が、その数は少ないだろう。

 スマホブームが始まった頃は、ガラケーからスマホにコンテンツを移すのにえらい苦労した覚えがあるのだが、「そもそも移すコンテンツがもう無い」という、この分かりやすい現状。ただし、「おサイフケータイ」については、ガラホに限らずそれぞれのサービスで残金の移し方が違うので、ご注意を。

 iPhoneやAndroidスマホからのデータ移行は、もっと諦めが必要。なにしろこれまで入手してきたアプリのほとんどが移せない。これまでのアプリ代は全部無駄! もうガラホに機種変更することは、節約なのか無駄使いなのか、よく分からなくなってくる。

 もっとも本誌の読者なら分かりきったことだが、アカウントを削除しなければ、再びスマホを買ったときに、それらのアプリは使える。そもそもiPhoneもAndroidスマホも、Wi-Fiで使えるのだからそのまま使い続ければ無駄にはならない。

 むしろもっと気になったのが、Androidスマートフォンからガラホに移る場合、microSDカードを使ったデータ移行がメイン操作になるのだが、ガラホ側はmicroSDHC 32GBまでしか対応していない。スマホで64GBとか128GBのmicroSDXCカードを使っている場合、そのカードでデータを移そうとしてもガラホは対応していないので諦める必要が……ってそんなヘビーユーザーはガラホに移らないのかな?

 ま、そんなときは昔のスマホやガラケーの箱、引き出しの奥に仕舞われている2GBのmicroSDカードを使ってほしい(意外に本当に残っている)。

 ただ、アプリだけでなく、GmailやGoogleカレンダーのデータが移行できない(というか使えない)というのはかなり痛い。ガラホに「お前Android入っているんじゃないんかい!」と怒りがっ……いえ、ここは心穏やかに。

 一方、ガラホからデータ移行をする逆パターンは非常にシンプル。考えてみるとガラホはガラケー以上に保存するデータの種類が少ない。電話帳、メール、カメラのファイルといった必須のデータは当然移行ができるし、アプリの多くはauスマートパスに紐付けだから移行する必要はなく、LINEもアカウント(電話番号)に紐付け、音楽サービスのLISMO(あるんですよ、まだ)が気になったものの、これもau IDに紐付け。特殊な移行が無い。

 こうデータ移行という視点で見ていくと、いろいろ諦めているものの、もしかしてガラホってスマホはもちろん、ガラケーよりもシンプルなんじゃないか、と。実に前向きな捉え方である。

 もっともガラホへの画像移行後は1枚ファイルが破損して見られなくなり、発着信履歴の移行後は、履歴を見ると常にホーム画面に戻る謎の現象が発生(再起動で正常になったけど)。そんなときは諦めて……ばかりじゃいけませんかねえ、やっぱり。

もちろん失敗することもある。もっともこの2件は移さなくていいんだけども。
Wi-Fi DirectがつながらなくてBluetoothでアドレス帳だけを移したり。そんなときに「なぜだ!」と叫んではいけません。心穏やかに諦めましょう