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ALCATEL ONETOUCH IDOL 3

 筆者は普段、iPhoneをメインに使っている。2008年発売のiPhone 3Gから使っているので、もう7年目だ。しかし、Androidスマホも毎年何台か買って使っている。もちろん仕事でAndroidも必要というのが最大の理由ではあるが、iPhoneと違ってAndroidスマホにはさまざまなモデルがあるので、その個性を楽しんだりもしている。

 とくに最近はSIMロックフリーのスマホの種類が豊富なので、選ぶ楽しみが増している。今年はその中でも、「ALCATEL ONETOUCH IDOL 3」がちょっと面白い。

背面のALCATELロゴ

 古くから本誌を愛読している読者なら、ALCATEL(アルカテル)というブランドには見覚えがあるはずだ(関連記事:ALCATEL、ファッションショーで「ELLE N°3」を紹介ALCATEL、薄型ストレートの“PLAYBOYケータイ”)。

 元々フランスの老舗通信機器メーカーなのだが、中国メーカーTCLと移動機分野で合弁企業を作り、現在はTCL Communicationが「ALCATEL ONETOUCH」ブランドのスマートフォンを世界展開している。アルカテルの移動機部門を引き継いでいることもあり、丸みを帯びた欧州テイストの端末デザインと通信機器会社由来の高い技術力、そして中国メーカーのコストパフォーマンスを併せ持っているのが特徴で、IDOL 3もそんなALCATEL ONETOUCHの特徴を体現している。

 ALCATEL ONETOUCHブランドへの憧れがIDOL 3を手に取ったきっかけではあるが、注目したいのは、ハイエンドとまでは行かないまでも、かなりリッチなスペックを実現しながら、直販価格で3万9800円(税別)で販売されているところ。“格安スマホ”というほどではないが、iPhoneやハイエンドのAndroidスマホに比べると半分くらいの価格である。

 ちなみに、公式オンラインショップではMXモバイリングのSIMとセット購入で月額2780円から使用でき、動画か音楽が視聴し放題などの特典もついてくるキャンペーンなどが実施されており、さらにお得感が増している。

左からiPhone 6s、IDOL 3、iPhone 6s Plus。IDOL 3はiPhone 6s Plusと同じ画面サイズながら、重さはiPhone 6sよりやや軽い

 ディスプレイはフルHD(1920×1080ピクセル)の5.5インチと、ちょうどiPhone 6s Plusと同じ、いわゆる“ファブレット”のサイズだ。ディスプレイのサイズや解像度はiPhone 6s Plusと同じだが、重さを比べると、iPhone 6s Plusが192gなのに対して、IDOL 3は141gと約50gも軽い。さらに、4.7インチのiPhone 6s(143g)よりも軽く、5.5インチクラスとしては破格な軽さと言える。この軽さでもバッテリー容量は2900mAhと大容量なのもなかなか凄い。

 実際に使ってみるとよく分かるのだが、通常、5.5インチというディスプレイサイズは片手操作だと画面上部がややタップしにくくなるのだが、IDOL 3は非常に軽いので、手のひらに載せるように持つことで片手でも容易に操作できる。ホームボタンが画面内にあるため、指の移動範囲がやや狭いことも、iPhoneとの大きな違いだ。

 筆者は電子書籍をよく読むのだが、このサイズ感は電子書籍、とりわけ電子コミックを楽しみやすい。さすがに見開き2ページ表示は実用的とは言いがたいが、1ページ単位ならば、表示を拡大しなくとも吹き出しのセリフの漢字が潰れることもなく、難なく読めるところが嬉しい。単行本と変わらない感覚だ。

 もちろん映像コンテンツにもディスプレイサイズが大きいことは有利で、映画などの彩色技術の老舗テクニカラー社の技術が導入されているディスプレイとともにJBLの認証を受けたフロントステレオスピーカーもポイントだ。

 搭載するプロセッサーはミドルクラスで、Snapdragon 615(MSM8939、最大1.5GHzのオクタコア)。システムメモリーの容量は2GBとなっている。カタログスペック上はハイエンドモデルよりも少し劣るが、普通に使うならば、このくらいのスペックが最もバランスが良い。

 というのも、プロセッサーはハイスペック端末向けの3Dゲームや多数のタスク実行といったことをしなければ、パワー不足を感じることはない。ブラウザや地図、SNSアプリなど、普段使うようなアプリにはミドルクラスのプロセッサーで十分。このプロセッサーでもパワーが足りないと感じるようなアプリは、ハイエンドモデルで使うにしてもバッテリー消費が大きいので、もともと常用には向いていないだろう。

筆者愛用のIDOL 3はメタリックシルバー
側面の仕上げも美しい

 こうした必要十分なスペックを持っていながら価格が約4万円というのは、実に良いバランスだと思う。最新のハイエンドスマホを購入しようとすると、10万円前後の負担になるので、それと比較するとかなり安上がり。

 スマホは普段持ち歩くものなので、常に破損や紛失のリスクがつきまとうが、価格が安ければそうした事故が起きたときの損失も抑えられる。IDOL 3の場合、保証期間内なら不具合が発生してもピックアップサービスが送料無料で利用できるほか、代替機の手配も依頼できるので、いざという時も安心だ。

 スマホの価格は性能の向上とともに年々上昇する傾向にあり、総務省のタスクフォースまわりの動きを眺めていると、今後は大きな割引も期待できないかもしれない。そんな中、買い替えの負担を減らしたいと思うなら、IDOL 3のような端末に乗り換えるのは効果的だ。また、筆者のように、iPhoneユーザーがAndroidスマホやMVNOのサービスを試すために最初に手に取り、iPhoneと併用するような使い方でも、IDOL 3はオススメだ。